金魚が黒くなる黒い斑点と黒ソブの原因と突然死を防ぐ治し方
金魚が身体やヒレが黒くなったり、黒い斑点が見える時は病気の治りかけであったり、調子を崩しているサインである可能性が高いです。
金魚が黒くなっている状態を黒斑病や黒ソブと言われます。治療をしなくても大丈夫という意見もありますが、そのまま弱って死んでしまう事例がある以上、軽視するのは良くありません。
金魚が黒くなる原因と症状やシーンに合わせた治療法を知っておくことで金魚を死なせてしまうリスクを抑えることができます。金魚が黒くなったのなぜだろう?黒い斑点は何?と思った方は参考にご覧ください。
金魚が黒くなるのはなぜ?原因と症状
病気「白雲病」の治りかけ
白雲病とは、金魚の体表が雲がかかったように白く見える病気の一つです。
これは、寄生虫や細菌が金魚に寄生して、金魚が異常に多くの粘液を分泌するために起こります。この病気は、水温が急に下がったり、細菌や寄生虫が金魚に感染することで引き起こされます。
白雲病は、水を換えたり、水温を上げたりすることで自然に治ることが多いため、普段の飼育で白雲病に気付けないことがあります。
白雲病の治りかけになると体のいたるところに瘡蓋のような黒い斑点が見られるようになり、そこではじめて金魚が黒くなったことで異常に気づくというケースがあります。
白雲病のなおりかけであるため、金魚は本調子ではありません。そのため、金魚が黒くなったけど瘡蓋みたいなものだから大丈夫と思っていると突然死を招くことがあります。
金魚の小さな体にたくさん瘡蓋がある状態って、人間に置き換えたら全身傷だらけってことでしょ…?
そう考えたら楽観的にとらえるのは金魚にとっては迷惑かも
水温が低いことで調子を崩しているサイン
金魚は低水温でも活動でいる魚ですが、急な水温低下によって調子を崩すサインとして尾びれや背びれの先端が黒くなっていく症状が現れます。
水温が下がることで金魚のヒレが黒くなっていく症状を「黒ソブ」と呼びます。
ただし、水温が低いことで体調を崩していることは白雲病の治りかけと酷似しているので、自然に治るだろうと浅く考えていると金魚が実は回復ができておらず、突然死してしまうケースもあるため油断できません。
金魚に黒い斑点や黒ソブを確認した時の治療方法
飼育環境を室内に変えて水温を上げる
外で飼育している場合、無加温飼育をしていることが多いため、天候による水質変化によって体調を崩して病気になっている可能性があります。
黒い斑点や黒ソブは気温が暖かくなる春先に回復していく事例や声をよく聞きますが、もし自然治癒するか不安な場合は飼育環境を室内に切り替えて治療してあげるべきです。
室内に環境を移した後は25度前後まで1時間に1度のペースで水温を上げていきます。単純に暖かい環境に身を置くだけでも回復に向かいますが、塩浴や薬浴をして回復をうながしてあげる良いでしょう。
急激に上げると弱ってしまうよ
塩浴でストレスを軽減してあげる
真水で生活する魚の体には常に浸透圧がかかっているのでストレスを与えています。
健康な状態の時は浸透圧を気にする必要はありませんが、病気や弱っているときはできるだけ浸透圧をなくしてあげることでストレスを軽減させて金魚の治癒力を高めることができます。
塩浴のやり方
- 1Lあたり5gの食塩を用意する
- できれば塩浴用の容器を用意する
- フィルターは使わずエアレーションのみ
塩浴は人間が食べる食塩を使用します(味塩や梅塩はNG)。
1Lあたり5gの塩を入れることで塩浴に適した0.5%の塩分濃度にすることができます。小さじスプーン1杯が5gなので水量に合わせて何杯か入れるといった具合で塩を入れていきます。
塩浴の期間は1週間〜2週間が適切ですが、塩浴中は濾過フィルターを回さないようにしなくてはいけません。金魚を飼育する上で塩浴は水質悪化を招きやすいので、1週間に1回〜2回の頻度で水替えをすることをおすすめします。
水替えをするときは入れ替える分だけ塩を入れます
アグテンなどによる薬浴をする
塩浴と合わせてアグテンやメチレンブルー、グリーンFリキッドといった魚病薬を使用することで治療をうながすことが期待できます。
薬の効果や薬浴期間、使用方法については以下のリンクからご確認ください。
金魚が黒くならないための対策
金魚が黒くなるというのは、前提としてストレスをかけたり、病気にかかっていることが挙げられます。つまり、金魚が黒くならないようにするにはストレスや病気にならないような環境を用意してあげることが求められます。
水槽の水温を年間を通して管理する
水温の急な低下によってストレスがかかったり、病気になるリスクが上がるのであれば、外飼育から室内飼育に切り替えることも必要です。
室内の水温管理はエアコンによる室温管理によって水温を維持する方法が最も事故がない水温管理方法ですが、電気代が非常に高くなるため家庭によっては現実的ではありません。
少しでも電気代を節約する意味では、夏場は水槽用クーラーやファンを使用し、冬場は水槽用ヒーターを使用するといった1年を通した水温管理がおすすめです。
水替え定期的にして水質を安定させる
金魚は水を汚しやすい魚なので定期的な水替えを欠かさないようにすべきです。水質悪化のスピードが速いなら水槽のサイズが飼育数や金魚のサイズと見合っていない可能性が高いです。
水替えを定期的にすることは飼育者として必要な行動ですが、水槽のサイズアップや飼育数の間引きも場合によっては必要ということを頭に入れておくべきでしょう。
濾過フィルターを強化する
濾過フィルターのグレードを上げることも水質を維持する上で大切です。例えば、外掛けフィルターと上部フィルターでは濾過槽のサイズが違うので濾材を入れられる量や水を濾す量が変わります。
単純に水槽のサイズを大きくしても濾過フィルターの能力が低ければ水は汚れやすく、飼育者の水換えする頻度が上がり、労力もかかってしまいます。
濾過フィルターの強化は金魚の飼育環境維持がさらに良くなるだけでなく、飼育者の労力も軽減できるのでなるべく濾過能力の高いフィルターを使用することをおすすめします。
金魚が黒くなることによくある質問
- 金魚が黒くなる。なんで?
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金魚が黒くなる要因は2つです。1つ目は「白雲病」の治りかけであること、2つ目は水温の低下によって金魚がストレスを感じ調子を崩している場合です。
- 金魚の尻尾が黒いのはなぜですか?
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金魚の尻尾が黒くなることを「黒ソブ」と呼びます。ほとんどは水温の低下で見られる症状で、春先になると回復するケースが報告されています。しかし、それでも回復しない時は細菌や寄生虫が原因となっている可能性があるので治療が必要です。
- 金魚が黒くなって死んだのはなぜ?
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金魚が黒くなる原因の1つは病気の治りかけであるため、本調子でない金魚が回復しきれずに死んでしまうことがあります。人間でいう瘡蓋がある状態と例えられることがありますが、金魚の小さな体でいくつも瘡蓋がある状態を逆に人間で置き換えたら中々な重症です。したがって、楽観的にとらえずに黒くなっているのを見つけたら治療を開始すべきです。
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