水槽クーラーはいらない?導入すべきメリットと気をつけるデメリット
水槽クーラーは本体価格が高いだけに、費用を抑えてアクアリウムを楽しみたい人にとっては「いらないものなのでは?」とついつい正当化してしまいたくなりますよね。
お金を抑えて水槽を冷やしたい人は水槽ファンがおすすめですが、水の蒸発が早かったり、思うように水温を下げられず悩んでいる人は諦めて水槽クーラーを購入して導入しましょう。
水槽クーラーを導入しないと夏場の水温の悩みは解決せず、水温上昇によってコケ(藻)が増えすぎたり、生体が調子を崩す、水換え頻度が増えるといったリスクが生じます。したがって、水槽クーラーがいらないと間違った情報を鵜呑みにせず、水槽クーラーの導入を検討しましょう。
「水槽クーラーがいらない」が間違っているわけ
水の蒸発を抑えられるのはクーラーだけ
水槽内の水温が上昇すると、水の蒸発速度も同時に高まります。これにより、水槽内の水位が急速に低下し、定期的な水の追加が必要となる場合があります。
しかし、水槽クーラーを使用することで水温を適切な範囲内に保つことが可能になり、結果として水の蒸発を著しく抑制することができます。水槽ファンでも水温を下げることができますが、気化熱を使って下げるため水の蒸発は避けられません。
水の蒸発を防ぎながら水温を下げられるのは水槽クーラーだけです
生体のストレスがかかりやすい状況を維持してしまう
水温が不安定、特に高温の状態が続くと、水槽内の生物には過度のストレスがかかります。
適切な水温は品種によって異なりますが、一般的に28度以上の水温は魚や水草にとって不快であり、時には病気や枯れる原因になることもあります。
水槽クーラーを使わない場合、24時間の適切な水温管理が難しくなるため、生体の長期的な健康管理が難しくなります。
水温を一定にすることができない
水槽クーラーなしで水温を一定に保つことは、特に夏場にはほぼ不可能です。
天候の変動による気温変化や室内のエアコンにオンオフによって水温も大きく左右され、水槽内の生物に適した条件を維持することが困難になります。
水温の急激な変化は、生き物の免疫システムを弱体化させる原因となり、病気やストレスの増加に直結します。水槽クーラーを使用することで、外部環境の変化に左右されず、一年を通じて水温を安定させることが可能になり、水槽内の生物が健康を維持できるようになります。
水槽クーラーを設置するメリット
夏場の水温上昇の最適解になる
夏場、気温の上昇によって水槽内の水温もまた急速に高まります。このような状況では、水槽クーラーの役割が非常に重要になります。水槽クーラーは、設定された水温まで確実に下げ、魚や水草にとって最適な環境を維持することができます。
特に、夏場に水温が高くなると、水生生物にストレスを与えたり、生存に適さない環境を作り出したりするため、水槽クーラーはそのようなリスクを回避するための最良の解決策となり得ます。
水槽の水が蒸発しにくい
部屋の温度が上がると蓋を開けているだけで水が蒸発してしまいます。
そこにファンで風を送るとさらに蒸発が進み1日でかなりの水の量が消失します。仮に蓋をしながらファンで風を送ったとしても気化熱を利用して冷却をするため、水の減りは尋常ではありません。
水槽によっては一日で2リットル以上の水が減る場合があります。毎日カルキ抜きをした水を入れるのも面倒だと思う人は水槽クーラーの導入がおすすめです。
ファンよりも確実に冷える
水槽クーラーは、冷却ファンや自然換気と比べて水温をより効果的に下げることができます。ファンは水面の蒸発を促進させることで水温を下げますが、これは外気温に大きく依存し、特に高温多湿の日には効果が限定的です。一方、水槽クーラーは内部で水を直接冷却し、外気温の変動に左右されずに水温を一定に保つことが可能です。
熱帯魚や海水魚を飼育ならほぼ必須
熱帯魚や海水魚など、特定の水温範囲でのみ生存できる水生生物を飼育する場合、水槽クーラーは必須の設備です。これらの生物は非常に温度に敏感であり、わずかな水温の変化も健康や繁殖に大きな影響を及ぼすことがあります。
水槽クーラーを設置することで、年間を通じて安定した水温を維持し、これらの敏感な生物が健康に生活できる環境を提供することができます。
知っておきたい水槽飼育の水温
海水魚 | 24度~26度 |
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サンゴ | 20度~25度 |
川魚 | 15度~25度 |
金魚 | 15度〜22度 |
メダカ | 15度〜30度 |
熱帯魚(テトラなど) | 22度〜28度 |
アロワナ | 27度~30度 |
水槽クーラーを設置するデメリット
初期費用が高い
水槽クーラーの設置には、大きな初期投資が必要となります。小型水槽用の最も安価なモデルでも、数千円から1万円程度の出費が見込まれ、大型水槽用になるとその価格は数万円にものぼることがあります。
特に、水槽のサイズが大きくなるにつれて、必要とされるクーラーの能力も高くなり、それに伴い価格も上昇します。この高額な初期費用は、多くのアクアリストにとって大きな負担となる可能性があります。
ランニングコストが高い
水槽クーラーの運用には、消費電力に基づくランニングコストがかかります。特に夏場には、水温を適切な範囲内に保つためにクーラーが長時間稼働することになり、その分電気代が増加します。
小型から中型の水槽用クーラーであっても、月に数百円から数千円の追加費用が発生することがあり、大型水槽用のクーラーではその額はさらに上がります。この継続的な費用は、維持管理の負担を増やす一因となります。
設置スペースが必要になる
水槽クーラーは、その性能やサイズにもよりますが、一定の設置スペースを必要とします。特に大型のクーラーモデルや、高い冷却能力を有するモデルは、水槽の近くに十分なスペースを確保する必要があります。
また、クーラー本体だけでなく、冷却効率を高めるための通気スペースも考慮する必要があり、限られた空間での水槽設置を考えている場合には、このスペースの確保が課題となることがあります。
水槽クーラーの前後には10cmほどの空間がないと、逆に水槽が熱くなってしまうよ