錦鯉が飼えなくなった!引き取り先はどこ?手放す手引き

経済状況の変化や引っ越しなどによる飼育環境の変化などによって、錦鯉を飼育し続けることができなくなる人も珍しくありません。
ペットは飼い主が責任を持って終身飼育することが理想的ですが、生きる上でどうしようもないシーンはあるでしょう。しかし、メダカや金魚、熱帯魚など小さな魚なら引き取りてや買取が多いかもしれませんが、大きな魚に分類される錦鯉の引き取り先は簡単には見つからないことが多いです。
本記事では錦鯉が飼育できなくなった時に確認すること、引き取ってくれる販売店、引取り時の注意点についてまとめているので参考にご覧ください。
錦鯉を手放す前に確認すること
飼育環境の見直しで飼育続投できないか
錦鯉は通常、屋外の池で飼育されることが多いですが、適切な条件を整えれば水槽での飼育も可能です。
- 大きさにあった水槽サイズを用意できるか
- 成魚1匹につき最低30リットル以上が理想的です。
- 上部フィルターなどの濾過器があるか
- 週1回〜2回の水換えが実行できるか
- 水温を20〜25℃に保つことができるか
- クーラーやヒーターの導入が必須
水槽飼育は手間がかかりますが、工夫次第で錦鯉を室内で飼育が可能です。飼育スペースの問題で手放すことを考えている場合は、水槽飼育という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
錦鯉の必要水量計算ツール
錦鯉の体長(cm)を入力してください:
結果
コイヘルペスウイルスになっていないかチェック
コイヘルペスウイルス(KHV)は、錦鯉の引き取りや売買に大きな影響を与えます。コイヘルペスは錦鯉に致命的な影響を与えるため、多くの養殖場や販売店では引取りをしない可能性があります。
コイヘルペスウイルスによる引き取りの影響
- 引き取り先が限定される
- 多くの養殖場やショップが外部からの錦鯉の受け入れを制限しています。
- 検査が必要になる
- 引き取りの際にKHV検査を要求される場合があります。
- 隔離期間が設けられる
- 引き取り後、一定期間の隔離観察が行われることがあります。
- 買取り価格への影響
- KHVのリスクを考慮し、買取り価格が低くなる可能性があります。
- 引き取りが拒否される
- KHVの疑いがある場合、引き取りを断られることがあります。
このような状況を踏まえ、錦鯉を手放す際は事前に引き取り先の方針を確認し、必要に応じてKHV検査を受けるなどの対策を取ることが必要です。
錦鯉を引き取ってくれる販売店
日本観賞魚振興事業協同組合の引き取りシステム
日本観賞魚振興事業協同組合(JAFA)は、観賞魚の適切な管理と生態系保護を目的とした引き取りシステムを運営しています。このシステムは、飼育できなくなった観賞魚を適切に引き取ることで、不適切な放流を防ぐ役割を果たしています。
- 専門的な知識を持つ組合員が対応
- 生態系への影響を考慮した責任ある引き取り
- 全国的なネットワークを活用した効率的な引き取り
- 引き取り後の適切な管理と新しい飼い主探し
ただし、このシステムを利用する際は、事前に最寄りのJAFA加盟店に相談する必要があります。また、引き取りには一定の費用がかかる場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。JAFAのシステムを利用することで、錦鯉を責任を持って手放すことができ、生態系保護にも貢献できます。
アクアショップでの買取り
アクアショップは、錦鯉の買取りを行っている場合が多いため、有力な選択肢の一つです。
- 専門知識を持ったスタッフが対応してくれる
- 適正な価格で買い取ってもらえる可能性がある
- 錦鯉の新しい飼い主を見つけやすい
- 必要な場合は、一時的な預かりにも対応してくれることがある
ただし、アクアショップによって買取りの条件や価格は異なります。複数のショップに相談し、最適な条件を探すことをおすすめします。また、事前に錦鯉の健康状態や大きさ、品種などの情報を準備しておくと、スムーズに相談できるでしょう。中には出張買取りを行っているショップもあるので、大型の錦鯉を運ぶのが難しい場合はそのようなサービスも検討してみてください。
錦鯉を引き取ってくれる販売店
- アクア&ペットかねだい
- 昌徳錦鯉センター
- ミニ水族館 ペンギン村
- 小島錦鯉

オンラインでの里親探し
インターネットの普及により、オンラインでの里親探しも有効な選択肢となっています。特に、ペット専門のオークションサイトやSNSを活用することで、広範囲に里親を募ることができます。
- 信頼できそうな里親を見つけやすい
- 飼育環境の整った里親を見つけやすい
- 費用を抑えて里親を探すことができる
ただし、オンラインでの取引では個人情報の取り扱いには十分気をつけ、できれば対面での引き渡しを行うなど、安全に配慮しましょう。また、錦鯉の輸送方法や費用負担についても事前に明確にしておくことが重要です。
錦鯉の引き取りにかかる費用と注意点
買取り価格の相場
錦鯉の買取り価格は、品質、サイズ、品種によって大きく変動します。一般的な相場としては、以下のような目安があります。
サイズ | 一般的な価格帯 |
---|---|
15cm未満 | 500円〜5,000円 |
15cm〜30cm | 3,000円〜20,000円 |
30cm〜60cm | 10,000円〜100,000円 |
60cm以上 | 50,000円〜1,000,000円以上 |
ただし、これはあくまで目安であり、実際の価格は個体の状態や市場の需要によって変わります。特に珍しい品種や美しい模様を持つ個体は高値がつくこともあります。買取り価格に不満がある場合は、複数の業者に相談してみるのも良いでしょう。また、買取りではなく無償での引き取りになる場合もあるので、事前に条件を確認しておくことが大切です。
出張買取りの注意点
出張買取りを検討する際は、これらのメリットとデメリットを考慮し、自分の状況に合っているかどうかを判断しましょう。また、複数の業者に見積もりを依頼し、条件を比較することをおすすめします。
メリット
- 錦鯉を運搬する手間が省ける
- 専門家が現地で状態を確認できる
- 複数の個体をまとめて査定してもらえる
- ストレスの少ない方法で錦鯉を移動できる
デメリット
- 出張費用が必要な場合がある
- 日程調整が必要になる
- 比較的高額な個体でないと対応してもらえないことがある
- 地域によってはサービスが提供されていない場合がある
錦鯉を手放す際の禁止事項と法律
野外への放流は絶対にダメ
錦鯉を野外に放流することは、生態系を破壊してしまうため、絶対に避けるべき行為です。
放流することで起きる環境問題
- 錦鯉が在来の魚類と餌や生息域を奪い合う
- 野生のコイと交配し、在来種の遺伝的多様性を脅かす
- コイヘルペスウイルスなどの病気を野生の魚に感染させる
- 水草を食べ尽くすなど、水辺の環境を変化させる
- 食物連鎖に影響を与え、生態系全体を乱す
これらの影響は一度起こってしまうと取り返しがつかず、長期的かつ広範囲に及ぶ可能性があります。たとえ善意からの行動だとしても、放流は生態系を破壊する危険な行為です。違法な放流が行われ続けると、今後、錦鯉飼育が法律で禁止される可能性すらあります。
知っておきたい外来生物法
外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)は、日本の生態系を守るために制定された重要な法律です。この法律は、外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止することを目的としています。
錦鯉に関連する主なポイント
- 特定外来生物に指定されていなくても、野外への放流は禁止されています。
- 違反した場合、最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
- ペットとして飼育している場合、逃げ出さないよう適切な管理が求められます。
- 手放す際は、法律に則った適切な方法で行う必要があります。
- 特定外来生物に関する情報を、環境省が積極的に提供しています。
錦鯉そのものは現在特定外来生物には指定されていませんが、野外への放流は厳しく規制されています。この法律を理解し、遵守することは、ペットオーナーとしての責任であり、日本の豊かな生態系を守るために不可欠です。