錦鯉の購入後にすべきこと【水合わせ・病気対策・餌やり・放流】

錦鯉の購入後にすべきこと【水合わせ・病気対策・餌やり・放流】

錦鯉を購入したら水槽や池にすぐに放流することは避けましょう。

錦鯉をはじめとする魚を飼育する場合、元いた水質環境と新たに棲む水質環境をチューニングする「水合わせ」は必須です。また、錦鯉は輸送時に大きなストレスを感じているので、内臓に負荷がかかっていたり、病気になりかけている可能性もあります。

購入後は水合わせをしながら体表や行動に異常がないか観察し、必要に応じて塩水浴なども行うこと検討しましょう。

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錦鯉の購入後の「水合わせ」重要性

なぜ水合わせが必要なのか

錦鯉を販売店やネット通販購入した後は新しい環境(水槽や池)に放流する時に、水合わせは絶対に欠かせません。

水合わせとは、錦鯉が元々いた水と新しい環境の水の温度や水質を徐々に近づけていく作業のことです。これは、錦鯉にとって急激な環境の変化によるストレスを最小限に抑えるために行います。

水合わせを行わずに錦鯉を新しい環境に放すと、魚が強いショックを受けて体調を崩したり、最悪の場合死亡してしまう可能性があります。錦鯉は見た目は丈夫そうに見えますが、実は環境の変化に敏感な生き物なのです。

水合わせのメリット

  • 錦鯉のストレスを軽減し、健康を維持できる
  • 新しい環境への適応をスムーズにする
  • 病気になるリスクを減らせる
  • 長期的な飼育の成功率が上がる

水合わせにデメリットはありません。また、水合わせが不要な種類などもいません。

水温と水質の違いがもたらすリスク

水合わせしないリスクも知っておきましょう

水温と水質の急激な変化は、錦鯉にとって生きるか死ぬかの大博打です。

例えば、水温が急に変わると、錦鯉の体温調節機能が追いつかず、いわゆる「温度ショック」を起こす可能性があります。これにより、錦鯉の免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。

水質の違いも同様に危険です。pHや硬度、アンモニア濃度などが急に変わると、錦鯉の体内のバランスが崩れ、ストレスが高まります。特に注意が必要なのは、アンモニア濃度の上昇です。アンモニアは錦鯉の排泄物から生じる有害物質で、濃度が高くなると中毒症状を引き起こす恐れがあります。

水合わせしないリスク

  • 温度ショックによる免疫力低下
  • 浸透圧の急激な変化によるストレス
  • pHの変動による呼吸困難(PHショック)
  • アンモニア中毒のリスク増加
  • 細菌やウイルスへの抵抗力低下

これらのリスクを避けるためにも、水合わせは慎重に、時間をかけて行うことが大切です。

錦鯉の購入後にする「水合わせ」の手順

水温合わせの方法

手順1:水温合わせ

所要時間:30分〜1時間

まず、錦鯉が入った袋を、そのまま新しい水槽や池の水面に浮かべます。これにより、袋の中の水温が徐々に水槽の水温に近づいていきます。

季節や温度差によっては更に時間がかかる場合もあります。ただし、夏場など水温が高い時期は、15分程度で切り上げることもあります。これは、袋内の水質が悪化するのを防ぐためです。

水温合わせの際の注意点

  • 直射日光を避け、袋内の水温が急激に上がらないようにする
  • 袋を軽く揺らし、内部の水温を均一にする
  • 水温計を使用して、袋内と水槽の水温差が2度以内になるまで待つ
  • 極端に温度差がある場合は、少しずつ水槽の水を袋に入れて調整する

水温合わせを丁寧に行うことで、錦鯉の温度ショックのリスクを大幅に減らすことができます。

手順2:水質合わせ

所要時間:30分〜45分

袋やバケツなどにいる錦鯉の水質と移す先の水槽のpHや硬度などの水質を徐々に調整合わせていきます。

  1. 袋の水の3分の1程度を捨てる
  2. 捨てた分量と同じくらいの水槽の水を、ゆっくりと袋に入れる
  3. 15分ほど待つ
  4. この作業を2〜3回繰り返す

水質合わせの注意点

  • 水を入れる際は、錦鯉に直接水流が当たらないよう注意する
  • 水質テストキットを使用して、pHや硬度の変化を確認するとより安全
  • アンモニア濃度が高い場合は、水質調整剤を使用することも検討する

水質合わせの過程で、錦鯉の様子をよく観察することも大切です。
異常な動きや呼吸の乱れがないか確認しましょう。

より慎重に水合わせ「点滴法」のやり方

点滴法とは

水合わせ点滴のスピード

点滴法は、より緩やかに水質を調整する高度な水合わせ方法です。この方法は特に高価な錦鯉や、環境の変化に敏感な個体に対して効果的です。 ただし、点滴法は時間がかかるため、作業中は錦鯉の様子を定期的に確認する必要があります。また、冬場は水温が下がりすぎないよう、必要に応じてヒーターを使用することも検討しましょう。

点滴法のメリット

  • 水質の変化が極めて緩やかで、錦鯉へのストレスが最小限
  • 長時間かけて調整するため、より確実な水合わせが可能
  • 高価な個体や繊細な錦鯉に特に適している

点滴法のやり方

  • 水合わせキットやエアチューブを用意する
  • チューブの一端を水槽に、もう一端を錦鯉の入った容器に設置する
  • サイフォンの原理を利用して、水槽の水をゆっくりと錦鯉の容器に滴下させる
  • 滴下速度は1秒間に6滴程度に調整する
  • 容器の水量が2倍になるまでこの作業を続ける(約1時間)

点滴法は水合わせキットを使うと楽だよ

錦鯉の購入後の放流タイミングと餌やりのタイミング

放流のタイミング

錦鯉を新しい環境に放流する際のタイミングと方法は、その後の健康と適応に大きく影響します。水合わせが完了したら、以下の手順で慎重に放流を行いましょう。

1. 水温と水質の最終確認

放流直前に、水温と水質(特にpHとアンモニア濃度)が適切な範囲内にあることを再度確認します。

2. 適切な時間帯の選択

朝か夕方など、日差しの強くない時間帯を選びます。これは錦鯉の目が急激な光の変化にストレスを感じるのを防ぐためです。

3. ゆっくりとした導入

錦鯉を入れたバケツや袋を水面に浮かべ、5〜10分ほど静置します。これにより、錦鯉が新しい環境を視覚的に認識する時間を与えます。

4. 慎重な放流

錦鯉を網ですくい、水面すれすれのところからそっと放します。決して高い位置から落とさないようにしましょう。

5. 観察

放流後30分ほどは錦鯉の様子を注意深く観察します。異常な動きや呼吸の乱れがないか確認しましょう。

放流の注意点

放流時の水は一緒に入れず、錦鯉だけを移すようにします。また、一度に多くの錦鯉を放流すると水質が急変する可能性があるので、少数ずつ段階的に行うのが安全です。放流後数日間は水質の変化に特に注意を払い、必要に応じて部分的な水換えを行いましょう。

餌やりのタイミング

新しい環境に導入した直後の錦鯉への餌やりは、非常に慎重に行う必要があります。環境の変化によるストレスで、錦鯉の消化機能が一時的に低下していることがあるためです。餌を食べて元気になってもらいたい気持ちは抑え、一旦は環境に慣れる時間を設けてあげましょう。

餌を与えるまでの流れ

導入後の絶食期間を設ける

新しい環境に放流してから最低3日間は餌を与えないようにします。これにより、錦鯉が新しい環境に慣れ、ストレスが軽減する時間を確保します。

少量から餌を与える

絶食期間後、最初の1週間は通常量の半分程度から始めます。錦鯉の食欲や消化の様子を観察しながら、徐々に量を増やしていきます。

餌やりのタイミングと量

餌やりは基本的に朝に1回、もしくは朝と夕方の2回に分けて与えるのが理想的です。水温が安定し、錦鯉の活動が活発な時間帯を選びましょう。また、与えた餌が5分以内に食べ尽くされる量を目安にします。食べ残しは水質悪化の原因となるので、必ず取り除きましょう。

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錦鯉の購入後の病気対策とケアの仕方

錦鯉のストレスや病気のサインを知っておく

新しい環境に導入された錦鯉は、ストレスや病気にかかりやすい状態にあります。早期発見と適切な対処が重要なので、以下のサインに注意を払いましょう。

異常な遊泳行動体を傾けて泳ぐ
水面近くで停滞する
底に沈んだままほとんど動かない
壁や岩に体をこすりつける
外見の変化体色が暗くなる
急激に色が変化する
体表に白い斑点や赤い斑点が現れる
ヒレや尾びれがボロボロになる、または縮こまる
摂食行動の変化餌を全く食べない、または異常に食欲が増す
餌を口に入れてもすぐに吐き出す
呼吸の異常激しく口を開閉する(あえぐような動き)
エラの動きが通常より速い、または遅い
その他体が痩せてきた
粘液の過剰分泌
目が濁る、または飛び出す

異常が見られたらすべき応急処置

  • 水質検査を行い、必要に応じて部分的な水換えを実施する
    • 水温、pH、アンモニア濃度などを適正範囲内に調整する
  • エアレーションを強化し、酸素供給を増やす
  • 必要に応じて隔離して塩水浴や薬浴をする

塩水浴をして病気予防や初期治療をする

塩水浴とは

塩水浴とは真水を魚の体内塩分濃度(約0.5%)に近づけることで浸透圧調整のよるストレスを軽減することができる方法です。体力の回復促進や傷ついた体表のケア、錦鯉の体表に付着した寄生虫や細菌を除去する効果も期待できます。新しい環境に錦鯉を導入する際や、体調不良の兆候が見られた時に行うと効果的です。

塩水浴の効果

  • 寄生虫(イクチオボド、トリコジナなど)の除去
  • 体表の粘膜層の強化
  • 浸透圧の調整によるストレス軽減
  • 傷の治癒促進
  • 細菌感染のリスク低減

特に、新しく購入した錦鯉を既存の環境に導入する前に塩水浴を行うことで、潜在的な病気の持ち込みリスクを大幅に減らすことができます。また、定期的な塩水浴は予防医療としても効果があり、錦鯉の全体的な健康状態を向上させます。 ただし、塩水浴は錦鯉にとってもストレスとなる可能性があるので、頻繁に行いすぎないよう注意が必要です。

塩水浴のやり方

手順1:濃度(塩の量)

塩水浴を効果的かつ安全に行うためには、適切な塩水濃度を守りましょう。濃度が低すぎると効果が薄く、高すぎると錦鯉にダメージを与える可能性があるからです。

塩水浴の塩分濃度は1リットルあたり0.5%になるように調整します。1リットルの水に対して小さじ1杯(約5グラム)の塩を溶かすと適した濃度にすることができます。

手順2:期間と終わらせ方

4日かけて水換えをして戻そう

塩浴を終える際は一気に水換えをせず、徐々に真水に戻す必要があります。初日は半分。翌日はその半分といったように1日ごとに水を半分入れ替えていきましょう。

4日目になると塩分濃度はかなり低いので水を丸ごと入れ替えてしまう、もしくは飼育水槽に戻してあげましょう。より慎重になる場合は真水に戻した後に、飼育水槽との水合わせが良いかもしれませんね。

STEP
1日目

水を半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす

STEP
2日目

水をさらに半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす

STEP
3日目

水をさらに半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす

STEP
4日目

飼育水槽に戻してあげる。
飼育水槽に戻すときは飼育水槽と水質がちがうので必ず水合わせを行う。

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この記事を書いた人

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