錦鯉を水槽飼育する水量計算式と60cm〜90cm水槽で飼育できるサイズ

錦鯉は「環境適応型成長」といって水槽のサイズ、水量に合わせて成長サイズが制限されるので結論として60cm水槽や90cm水槽で飼育することが可能になります。
ただし、多頭飼育をするなら1匹あたりの水量を確保しないと水質悪化が早まり、結果として錦鯉が病気になる環境を作ったり、怪我や突然死を発生させる原因を作ってしまいます。
錦鯉の1匹あたりの必要な水量計算式を知っておくことで飼育できる数の上限を把握することができます。本記事では錦鯉を水槽で飼育するために知っておくべきことをまとめているので参考にご覧ください。
錦鯉の体長(cm)× 2 = 必要な水量(リットル)
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錦鯉を水槽で飼育するメリット
- 360度観察して楽しめる
- 水温と水質の管理がしやすい
- 害獣に捕食されない
- 飼育者になつきやすくなる
- インテリア性としても優秀
水温と水質の管理がしやすい
水槽飼育する場合は、クーラーやヒーターでの管理は必須と言えます。また、錦鯉は体格が大きいのでエアレーションによる酸素供給も必要になるでしょう。
池飼育とは異なり、水槽の水質、温度を管理できるので錦鯉が急な病気になったり、PHショックによって暴れたり弱ったりするリスクを最小限に留めることができるのは水槽飼育のメリットといえます。

ただし、濾過フィルターや水槽サイズによっては水換え頻度が多くなることで管理コストがかかりすぎてしまう場合もあるので注意。
害獣の被害に遭わない
池で錦鯉を飼育する場合、サギなどの野鳥や猫、狸、ハクビシンといったあらゆる害獣を注視しないといけません。住んでいる地域によっては池に放流した錦鯉が全て食べられてしまったり、いたずらに虐殺されてしまうといったケースも珍しくありません。
しかし、水槽飼育なら害獣に接触することがないので大切な錦鯉を食べられたり殺されたりするリスクを0にすることができます。
池飼育との違い
錦鯉を水槽で飼育すると、その美しい姿を間近で観賞できる魅力があります。池での飼育と違い、水槽なら錦鯉の横顔や細かな模様まではっきりと見ることができます。
例えば、紅白や大正三色といった人気品種の鮮やかな色彩や、優雅に泳ぐ姿を360度どの角度からも楽しむことができます。また、水槽飼育なら季節や天候に関係なく、いつでも好きなタイミングで鑑賞できるのも大きな魅力です。さらに、錦鯉は人になつきやすい性格なので、餌やりの際には寄ってくる姿を楽しむこともできます。
インテリア性としての魅力もある
錦鯉の水槽は、部屋のインテリアとしても高い価値を持ち、独特の癒し効果をもたらします。水槽内で優雅に泳ぐ錦鯉の姿は、まるで生きた絵画のようです。その美しい色彩と動きは、見る人の心を和ませ、ストレス解消にも効果があると言われています。また、水槽のサイズや形状、背景、照明などを工夫することで、部屋の雰囲気に合わせたデザインが可能です。
例えば、和室には日本庭園風の水槽レイアウト、モダンなリビングにはシンプルでスタイリッシュな水槽が映えるでしょう。さらに、水の音や光の反射なども心地よい空間演出に一役買います。このように、錦鯉の水槽は単なるペットの飼育場所ではなく、生活空間に彩りと安らぎを与える重要な要素ともなります。
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錦鯉の飼育に必要な水槽サイズと水量
錦鯉を健康に飼育するためには、適切な水量を確保することが重要です。一般的な目安として、錦鯉1匹あたり10リットル以上の水量が必要だと言われています。しかし、これはあくまで最低限の基準で、できるだけ多くの水量を用意するのが理想的です。



錦鯉の水量計算式はこちら
錦鯉の体長(cm)× 2 = 必要な水量(リットル)
例えば、15cmの錦鯉なら、15 × 2 = 30リットルの水量が必要になります。ただし、この計算方法は小型の個体向けで、大きな錦鯉の場合はより多くの水量が必要です。また、水槽の大きさだけでなく、フィルターの性能や錦鯉の数、餌の量なども考慮に入れる必要があります。水量が多ければ多いほど水質が安定し、錦鯉にとって快適な環境を作りやすくなります。
60cm水槽で飼育できる錦鯉
60cm水槽は、錦鯉の飼育を始めるのに適した大きさです。
60cm水槽では、15cm前後の錦鯉を3~5匹程度飼育することができます。ただし、錦鯉は成長するので、最終的には20~30cm程度まで大きくなる可能性が高いです。水槽のサイズアップを検討していない場合は、1匹〜2匹にとどめるようにしましょう。
また、60cm水槽での飼育する場合、濾過フィルターは手入れのしやすい上部フィルターを採用し、エアレーションも必ず設置しましょう。



水換えは週に1回、3分の1程度行うのが理想的です。
餌は1日1回、5分程度で食べきれる量を与えるのがおすすめです。60cm水槽なら、リビングや寝室など、家のどの部屋にも置きやすく、錦鯉の美しい姿を身近に楽しむことができます。
90cm水槽で飼育できる錦鯉
90cm水槽は、より多くの錦鯉を飼育したい場合や、大きめの個体を育てたい場合に適しています。
90cm水槽では、20cm前後の錦鯉を5~7匹程度飼育することが可能です。90cm水槽のメリットは、錦鯉がより自由に泳ぐスペースがあることです。これにより、錦鯉本来の優雅な泳ぎを楽しむことができます。また、水量が多いため、水質の変化も60cm水槽に比べて緩やかです。
ただし、それでも定期的な水質管理は欠かせません。フィルターは大型のものを選び、エアレーションも十分に行いましょう。水換えは週に1回、4分の1程度で大丈夫です。餌の量は60cm水槽と同様ですが、錦鯉の大きさに応じて調整しましょう。
錦鯉が水槽で飼育できる仕組み



錦鯉は実は大きくなりづらい!?
環境に合わせた成長の特性
錦鯉には、飼育環境に合わせて成長する特性があります。
水槽のサイズに応じて成長が制限される傾向にあり、これは「環境適応型成長」と呼ばれています。例えば、60cm水槽で飼育された錦鯉は、通常20〜30cm程度で成長が止まります。これは、錦鯉が本能的に自分の生存に適した大きさを把握し、それ以上成長しないようにするためです。
この特性により、水槽飼育でも錦鯉が大きくなりすぎて困るという心配はほとんどありません。ただし、この成長の制限は錦鯉にストレスを与えるものではなく、むしろ生存戦略の一つと考えられています。水槽内でも十分な餌と適切な水質管理があれば、錦鯉は健康に暮らすことができます。



環境適応型成長ってすごい!
適切な餌やりは必須
錦鯉を水槽飼育する場合、大きくなりすぎたら困るという理由で餌の頻度を減らすことは良くありません。どんな環境であれ、錦鯉の健康的な成長を促すためには、適切な餌やりと成長管理が重要です。餌の量は、錦鯉が5分程度で食べきれる量を1日1〜2回与えるのが理想的です。
錦鯉の給餌ポイント
餌の種類 | 市販の錦鯉用フードを基本とし、時々生きた餌(アカムシなど)を与えると良い。 |
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給餌頻度 | 水温15℃以上なら1日2回、15℃未満なら1日1回が目安です。 |
成長期の錦鯉は、良質なタンパク質を多く含む餌を与えると良いですが、与えすぎには注意が必要です。過剰な餌は水質悪化の原因となり、錦鯉の健康を害する可能性があります。また、成長に合わせて水槽のサイズを大きくしていくことも検討しましょう。
錦鯉の水槽飼育に必要な物と環境設定
濾過フィルターとエアレーションは必須
錦鯉の水槽飼育には、適切な濾過フィルターとエアレーションが欠かせません。
フィルターは水槽の容量の4〜5倍の処理能力を持つものを選ぶのが理想的です。例えば、60cm水槽(約60L)なら、時間あたり240〜300Lの処理能力を持つフィルターが適しています。フィルターの種類には、上部式、外部式、底面式などがありますが、錦鯉の飼育には上部式か外部式がおすすめです。
エアレーションについては、水槽の大きさに応じたエアーポンプを選びます。60cm水槽なら、3W程度のエアーポンプで十分です。エアーストーンは水槽の底に設置し、錦鯉の動きを妨げないよう配置します。
水質管理と水換えの頻度
錦鯉の健康を維持するには、適切な水質管理が重要です。水質検査キットを使用して、定期的にpH、アンモニア、亜硝酸塩のレベルをチェックしましょう。
錦鯉の好む水質
- pH:6.8〜7.5
- アンモニア: 0ppm
- 亜硝酸塩: 0ppm
- 硝酸塩: 40ppm以下
水換えは、週に1回、水量の20〜30%程度行うのが一般的です。ただし、水槽の状態や錦鯉の数によって調整が必要です。水換えの際は、水道水に含まれる塩素を中和する薬剤を使用し、新しい水の温度を水槽の水温に近づけてから注入します。



粘膜保護剤の入ったカルキ抜きが特におすすめ
また、底砂の掃除も定期的に行い、有機物の蓄積を防ぎましょう。これらの管理を適切に行うことで、錦鯉にとって清浄で安定した水環境を維持することができます。
水温は一定にしエアレーションも欠かさない
錦鯉の健康的な生活には、適切な水温維持と十分な酸素供給が不可欠です。錦鯉にとって最適な水温は20〜25℃程度で、急激な温度変化は避けるべきです。水温を一定に保つために、クーラーやヒーターの使用を検討しましょう。60cm水槽なら100W程度のヒーターが適しています。
酸素供給については、前述のエアレーションに加えて、水面の動きも重要です。上部フィルターの吐出口を水面近くに調整することで、水面に適度な波紋を作り、酸素の溶け込みを促進できます。
水槽飼育にマッチした品種選びのコツ
水槽で錦鯉を飼育する場合、その観賞方法や品種選びには少し工夫が必要です。水槽飼育の特徴として、横からの視点で錦鯉を観賞できることが挙げられます。このため、体側の模様や色彩が美しい品種を選ぶと、より魅力的な飼育環境を作ることができます。
例えば、光沢のある鱗を持つ「銀鱗」品種や、体側に独特の模様を持つ「写り」系の品種は、水槽飼育で特に映えます。また、水槽の背景色によっても錦鯉の見え方は大きく変わります。黒い背景なら赤や白の品種が際立ち、青い背景なら黄色や橙色の品種が映えます。


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