メダカの体に白いできもの(イボ)ができる「ポックス病」の治療
メダカの体に白いできものができておかしいと感じる人が知っておくべき病気は「白点病」と「ポックス病」です。白点病は治療を早期に行わないと水槽内全ての魚に感染し、死にいたることがあります。
一方でポックス病は直接死に関係ないものの、イボのようなコブのようなものが肥大すると泳ぎづらそうであったり、見た目として可哀想に感じてしまいます。ポックス病は絶対に治る保証も確立された治療法もないため、発症してしまうと厄介です。
この記事では白点病、ポックス病の見分け方や症状、それぞれの治療方法や対処方法について解説していきます。
メダカに白いできものができた時の病気
細かい白い点は白点病
白点病の症状と様子
メダカや熱帯魚の体表に見られる白点病は、体表に細かい白い点が現れる症状です。
これらの白い点は、実際には寄生虫「ウオノカイセンチュウ」の幼虫によるもので、魚が不快感を感じて体をこすりつける行動を取ることがあります。
初期段階では、水温を上げたり、唐辛子を水槽内入れるだけで治療が可能ですが、放置すると重症化し、最悪の場合は死に至ることもあります。そのため、民間療法と呼ばれる方法ではなく、アグテンやメチレンブルーを使って薬浴するのが最も効果的です。
白点病の発生原因
白点病の主な原因は、新しく導入された魚からの寄生虫の持ち込みや、気温の高低差による免疫力の低下が原因となることが多いです。これらの寄生虫は、水槽内で急速に増殖し、他のメダカにも感染する可能性があります。
見つけたときは水草などに影響が少なく的確に治療できるアグテンを使用すると効果的です。また、水温を28度〜30度まで上げると治療がスムーズになります。
白いイボはポックス病
コイや金魚、ベタなど多くの魚に多く見られるこの病気はメダカにも発生します。ポックス病は魚の体の各部分に白色または桃色、光沢のような色合いで蝋の塊のような増殖物として出現します。
これらの増殖物は硬く、形や広がりには個体差があります。また、剥がれにくい性質を持ち、無理に取り除こうとすると出血することがあります。水換えによる水質改善や塩水浴による自然回復の向上によって自然に脱落し、一時的に治癒したように見えることもありますが、再発することが多いです。
ポックス病の症状と様子
ポックス病は、メダカや金魚、コイといった魚の体表に白いイボのようなできものが現れる病気です。これらのイボは、魚の皮膚に異常が生じることで形成されます。ポックス病は白点病とは異なり、寄生虫によるものではありません。
この病気による直接的な死亡はほとんどありませんが、増殖物が広範囲にわたると、魚は成長不良や衰弱を引き起こし、最終的には他の疾患を併発して死に至ることもあります。
ポックス病の発生原因
ポックス病の原因は完全には解明されていませんが、ストレスや水質の悪化、栄養不足などが関与していると考えられています。飼育環境の改善が重要です。
白いイボ「ポックス病」の治療と予防方法
ポックス病の原因と治療法
この病気はウイルスによって引き起こされます。残念ながら、この病気を完全に治す方法は現在のところ存在しません。しかし、病気の進行を抑えるためには、水温を下げることが一つの方法として挙げられます。しかし、水温を通常の飼育水温に戻すと、病気が再発する可能性があります。
また、増殖物をメスで切除し、抗菌剤(メチレンブルーなど)で薬浴する方法もありますが、この方法は再発しやすく、二次感染、衰弱に繋がるリスクも高まるため注意が必要です。
予防と対策
新しいメダカを購入し、既存の水槽に入れる場合、新しいメダカが病気に感染するリスクがあります。健康なメダカを飼育するためには、水槽とその用具を塩素で消毒し、新しいメダカだけを入れることをお勧めします。
逆に新しいメダカがしばらくしてポックス病を発症し、既存のメダカたちに問題がない場合は、隔離して飼育するか個性として割り切って一緒に生涯飼育するかが求められます。
ただし、発病した水槽の魚(症状が見られない魚も含む)を自然の池や川に放すことは、病気の拡散を防ぐために避けるべきです。