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すぐにできる7つのメダカ暑さ対策|室内・ビオトープ別に解説

メダカ暑さ対策

メダカは夏になると人気が高くなりますが、決して暑さに強い魚ではありません。自然界でも生息する水流は15度〜20度ほどと涼しい環境にあります。

しかし、部屋の水槽や睡蓮鉢などのビオトープは水量が少なく、日照のコントロールができないのでどうしても水温が30度を超えてしまうケースがあります。放っておくと高水温によって死んでしまったり、体調を崩してしまいます。

メダカを人間の手で飼育する場合はメダカの暑さ対策は必須です。

目次

メダカは暑さに弱いから対策は必須

メダカは日本の夏の風物詩として親しまれていますが、実は暑さに弱い生き物です。適切な暑さ対策を行わないと、メダカの健康や生命に危険が及ぶ可能性があります。

暑さがメダカに与える5つの影響

夏場の水温上昇は、メダカにとって大きなストレス要因となります。水温が上がると、メダカの代謝が活発になり、酸素消費量が増加します。

しかし、同時に水中の溶存酸素量は減少するため、メダカは酸欠状態に陥りやすくなります。また、高水温はメダカの免疫力を低下させ、病気にかかりやすくなる原因にもなります。

  • 活動量の低下や食欲不振
  • 呼吸困難(水面近くで口をパクパクさせる)
  • 体色の変化(通常より薄くなる)
  • 繁殖活動の停止
  • 病気への抵抗力低下

このような症状が見られた場合、早急に水温を下げる対策が必要です。適切な対応を怠ると、最悪の場合、メダカが死亡してしまう可能性もあります。

適切な水温範囲と酸素濃度の重要性

メダカが健康に過ごすためには、適切な水温範囲と十分な酸素濃度を維持することが重要です。一般的に、メダカにとって快適な水温は20〜25℃程度とされています。しかし、日本の夏場では、屋外の水槽やビオトープの水温が30℃を超えることも珍しくありません。

水温が上昇すると、水中の溶存酸素量が減少します。例えば、20℃の水中では約9mg/Lの酸素が溶けていますが、30℃になると約7.5mg/Lまで減少します。これは約17%の減少を意味し、メダカの呼吸に大きな影響を与えます。

水温維持のメリット

  • メダカの活動性と食欲が維持される
  • 免疫力が高く保たれ、病気にかかりにくくなる
  • 繁殖活動が活発に行われる
  • 寿命が延びる可能性がある

したがって、暑さ対策を行う際は、単に水温を下げるだけでなく、適切な酸素供給も考慮に入れる必要があります。エアレーションや水草の活用など、総合的なアプローチが効果的です。

すぐできる7つのメダカ暑さ対策

メダカを夏の暑さから守るためには、適切な対策が必要です。誰でも簡単に実践できる7つの暑さ対策をご紹介します。これらの対策を組み合わせることで、メダカにとって快適な環境を維持し、健康に過ごすことができます。

直射日光を避けて日陰を作る

すだれ

メダカの飼育容器を直射日光から守ることは、暑さ対策の基本です。直射日光は水温を急激に上昇させ、メダカにストレスを与えます。そのため、日陰を作ることが重要です。

ベランダや庭で飼育している場合は、すだれや遮光ネットを利用して日陰を作りましょう。また、軒下や木陰など、自然の日陰を活用するのも効果的です。

日陰を作ることで、水温の上昇を5〜10℃程度抑えることができます。ただし、完全に光を遮断してしまうと、水中の植物の光合成に影響を与えるので注意が必要です。

午前中は適度に日光を当て、午後からは日陰にするなど、バランスの取れた光環境を用意しましょう。

水質管理と水換え

夏場は水温の上昇に伴い、水質が悪化しやすくなります。

そのため、定期的な水質チェックと水換えが重要です。水温が高くなると、水中の酸素量が減少し、有害な細菌が繁殖しやすくなります。これを防ぐため、週に1〜2回程度、全体の1/3程度の水を換えましょう。

ただし、一度に大量の水を換えると、水温や水質の急激な変化でメダカにストレスを与えるので注意が必要です。水換えの際は、新しい水をメダカの飼育水と同じ温度に調整してから入れるようにしましょう。

また、水質検査キットを使用して、定期的にpHや硬度、アンモニア濃度などをチェックすることをおすすめします。これにより、メダカにとって快適な水環境を維持することができます。

飼育容器にゆとりを持たせる

メダカの暑さ対策において、適切な飼育容器の選択と設置場所の決定は非常に重要です。まず、容器の大きさについては、メダカ1匹あたり1リットル以上の水量を確保することが理想的です。

大きな容器ほど水温の変化が緩やかになるため、暑さ対策には有利です。材質に関しては、熱を吸収しにくい素材を選びましょう。プラスチック製や陶器製の容器が適しています。黒や濃い色の容器は熱を吸収しやすいので避けましょう。

設置場所にも気をつける

水槽の設置場所

設置場所についても注意が必要で、直射日光が当たらず、風通しの良い場所を選びます。室内飼育なら直射日光が当たらない場所、部屋の温度が均一になっているところを選ぶと良いです。

ビオトープなら軒下や木陰、ベランダの日陰などが適しています。また、地面から少し浮かせて設置することで、地面からの熱の影響を軽減できるのでスノコを敷くのもおすすめです。

さらに、複数の容器を用意して分散飼育することで、リスク分散にもなります。このように、適切な容器選びと設置場所の工夫で、メダカにとって快適な環境を作り出すことができます。

水草やすだれを活用した自然な冷却

水草やすだれを活用することで、自然な方法でメダカの飼育環境を冷却することができます。水草は単に見た目を楽しむだけでなく、水温調整に大きな役割を果たします。

特に浮き草(ホテイアオイやウォーターレタスなど)は、水面を覆うことで直射日光を遮り、水温の上昇を抑えます。また、水草は光合成を行う際に酸素を放出するため、水中の酸素濃度を高める効果もあります。

一方、すだれは飼育容器の外側に設置することで、直射日光を和らげ、水温の上昇を防ぎます。自然素材のすだれは見た目にも涼しげで、風情があります。

ただし、水草やすだれを使用する際は、完全に光を遮断しすぎないよう注意が必要です。適度な日光は水草の成長やメダカの健康に必要です。朝は日光を取り入れ、日中は適度に遮るなど、時間帯によって調整するのがポイントです。

断熱材や発泡スチロールの使用

発泡スチロール

断熱材や発泡スチロールを活用することで、メダカの飼育容器の温度変化を緩やかにすることができます。これらの素材は熱の伝導を抑える効果があるため、外気温の影響を受けにくくなります。

具体的な使用方法としては、飼育容器の周りに断熱材や発泡スチロールを巻きつけたり、容器を発泡スチロール製の箱に入れたりします。特に、容器の底面と側面を覆うことが重要です。これにより、日中の急激な水温上昇を防ぐだけでなく、夜間の冷え込みからも守ることができます。

ただし、完全に密閉してしまうと空気の循環が悪くなるので、上部は開放しておくことが大切です。また、発泡スチロール製の飼育容器を使用する方法もあります。これらの容器は軽量で扱いやすく、断熱効果も高いのが特徴です。

しかし、発泡スチロール容器内の水温は下がりにくいという特性もあるため、夜間や涼しい日には注意が必要です。適切に使用することで、メダカにとって安定した水温環境を作り出すことができます。

エアレーションと冷却ファンの導入

エアレーションと冷却ファンの導入は、メダカの飼育環境を改善する効果的な方法です。

エアレーションは、水中に空気を送り込むことで水を循環させ、酸素を供給します。これにより、高水温時に不足しがちな酸素を補充し、メダカの呼吸を助けます。また、水面に波紋を作ることで、わずかながら気化熱による冷却効果も期待できます。

一方、冷却ファンは水面に直接風を当てることで、水の蒸発を促進し、気化熱による冷却効果を高めます。小型の USB ファンなどを使用すれば、電力消費も少なく済みます。エアレーションと冷却ファンを組み合わせることで、より効果的な冷却が可能になります。

ただし、強すぎる水流や風はメダカにストレスを与える可能性があるので、適度な強さに調整することが重要です。また、冷却ファンの使用は水の蒸発が早くなるため、こまめな水位チェックと補水が必要になります。

部屋の温度を一定に保つ

水槽ファンやクーラーを使わない方法として、部屋の温度を25度に保つ方法も挙げられます。

部屋の温度が25度を保っていれば、水温がそれ以上になることはありません。そのため、部屋に複数の水槽がある人など数多く水槽を管理する人は個別の電気代よりもエアコン管理の方が電気代がお得になるケースもあります。

夏場のエアコン代
画像提供:緋作さん

上記は2023年9月の1ヶ月をエアコンのみで管理した場合の月の電気代になります。緋作さんはアクアリウムYouTuberで複数の水槽を管理されています。エアコンの管理ならファンやクーラーの故障リスクを抑えることができるメリットもあります。

ビオトープでのメダカ飼育の暑さ対策

ビオトープでメダカを飼育することは、自然に近い環境で生き物を観察できる魅力的な方法です。しかし、屋外環境であるがゆえに、夏の暑さ対策には特別な注意が必要です。

適切な対策を行うことで、メダカにとって快適な環境を維持し、健康的に育てることができます。ここでは、ビオトープでのメダカ飼育における暑さ対策について詳しく見ていきましょう。

浮草を使って日光を遮る

ビオトープでの温度管理は、自然環境を最大限に活用することが重要です。自然の力を利用することで、メダカにとって快適な環境を効果的に作り出すことができます。

浮き草(ホテイアオイやウキクサなど)を水面に浮かべることで、直射日光を遮り、水温の上昇を抑えることができます。同時に、これらの植物は水中に酸素を供給する役割も果たします。

背丈のある植物で日影を作る

ビオトープの周囲に背の高い植物を植えることで、自然の日陰を作り出すことができます。これにより、一日中直射日光が当たることを防ぎ、水温の急激な上昇を抑制できます。これはすだれでも有効です。

シラサギカヤツリ

草丈は30cm〜60cmほどになる植物で先端に白い花を咲かせます。

ビオトープの水深を深くする

ビオトープの深さを十分に確保することも重要です。深い部分は比較的低温を保ちやすいため、メダカが暑さを避けられる避難所となります。また、風通しの良い場所にビオトープを設置することで、自然の空気の流れを利用して水面からの熱放散を促進することができます。

メダカの暑さ対策のよくある間違い

水温計の位置で温度が変化

水温計は、メダカの飼育環境を管理する上で欠かせない道具です。しかし、単に水温計を設置するだけでは不十分で、正しい使用法を知ることが重要です。まず、水温計の設置場所には注意が必要です。直射日光が当たる場所や、エアレーションの近くは避け、水槽の中央付近の水中に設置するのが理想的です。

これにより、より正確な水温を測定することができます。また、定期的な測定も大切です。朝・昼・夜と1日3回程度測定し、水温の変化を把握しましょう。

特に、真夏の昼間や、夕立の後などは急激な温度変化が起こりやすいので注意が必要です。

冷水や氷を入れるのはNG

メダカの暑さ対策を行う際、最も注意すべきは急激な温度変化です。

例えば、水温が高くなりすぎたからといって、一度に大量の冷水を足したり、氷を直接入れたりするのは避けましょう。これらの行為は、水温を急激に下げてしまい、メダカにとって大きなショックとなります。

代わりに、少量ずつゆっくりと水温を調整することが重要です。水換えを行う際も、新しい水は必ず水温を合わせてから入れるようにしましょう。

また、暑さ対策として日陰に移動させる際も、急激な環境変化は避けるべきです。徐々に日陰の時間を増やしていくなど、段階的な対応が望ましいです。さらに、夏場は日中と夜間の温度差が大きくなることにも注意が必要です。

特に、小さな容器や浅い水槽では、温度変化が起こりやすいので、保温・保冷対策を行いましょう。急激な温度変化はメダカの免疫力を低下させ、病気にかかりやすくなる原因にもなります。

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この記事を書いた人

アクアリウムTIPSはプロショップをはじめとする多くのアクアリストに閲覧されているサイトです。熱帯魚、水草をはじめとする生体の育成管理ノウハウをはじめ多くの情報をお届け。定期的なコンテスト開催も行い、アクアリストを繋ぐメディアの運営に努めています。

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