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メダカが弱ってるときに塩を入れるのはなぜ?対処療法で使われるワケ

メダカが弱ってるときに塩を入れるのはなぜ?対処療法で使われるワケ

メダカが弱ったときは塩を入れると良いと聞いたことはありませんか?それは塩水浴という簡易的な回復療法のことを指します。

塩水浴をすると、メダカが常に体力を使う浸透圧の調整力を補佐することができ、結果としてその分の力を体力回復へと注力できるようになるというのが弱ったメダカを回復できる仕組みです。また、体表のケアや寄生虫との分離といった効果も見込めるので病気の初期治療として有効な対処方法になります。

目次

メダカが弱ってるときに塩を入れるのはなぜ?

メダカが弱っているとき、塩水浴が効果的だと言われています。

でも、なぜ塩水浴がメダカの回復に役立つのでしょうか?実は、塩水浴には浸透圧の調整と殺菌効果という2つの重要な働きがあります。これらの効果によって、メダカの体力を回復させ、病気から守ることができます。塩水浴の仕組みを理解すれば、メダカを元気にするコツがつかめます。

1.浸透圧調整による体力回復を促せる

塩水浴がメダカの回復に効果的な理由の1つは、浸透圧調整にあります。

メダカの体内には約0.9%の塩分が含まれています。普段の淡水環境では、メダカの体内と外の水の塩分濃度に差があるため、水が体内に入ろうとする力(浸透圧)が働きます。

メダカの塩浴方法
水は塩分の多い場所へ移動するため負荷がかかる

メダカはこの力に抵抗するために、体の表面に粘膜を作って水の侵入を防いでいます。 しかし、この粘膜を作り続けるのは、メダカにとって大変な労力になります。体調が悪くなると、この粘膜を維持するのが難しくなってしまいます。そこで登場するのが塩水浴です。

メダカの塩浴方法
塩分濃度を合わせることで負荷が軽減される

水槽の塩分濃度を0.5%程度に調整すると、メダカの体内と外の濃度差が小さくなります。その結果、メダカは粘膜を作るエネルギーを節約でき、その分の体力を回復に使えるようになります。

つまり、塩水浴はメダカの体力を温存させる効果があるのです。これによって、メダカは自然と元気を取り戻しやすくなります。ただし、塩分濃度が高すぎると逆効果になるので、適切な濃度管理が大切です。

2.殺菌効果と寄生虫治療の効果がある

塩水浴のもう1つの重要な効果は、殺菌作用と寄生虫の除去です。塩には自然の殺菌効果があり、水中の有害な細菌やカビの増殖を抑える働きがあります。

これは、私たちが傷口に塩水をつけるのと同じ原理です。 メダカの場合、体表やヒレに付着した病原菌や寄生虫を除去するのに役立ちます。

特に、コショウ病(ベルベット病)やエラ病(イクチオボド症)といった寄生虫による病気の初期段階で効果を発揮します。塩水環境では、これらの寄生虫が生存しにくくなるため、メダカの体から離れやすくなります。

また、塩水浴によって体表の粘膜が少し剥がれることで、そこに潜んでいた細菌や寄生虫を排出する効果も期待できます。ただし、重度の感染症の場合は塩水浴だけでは不十分で、専門の薬を使う必要があります。

塩水浴が特に効果的な事例
  • メダカの動きが鈍くなったとき
  • 食欲が落ちているとき
  • ヒレや体表に軽い異常が見られるとき
  • ストレスを受けた後のケア

弱ったメダカに塩を入れるということは病気の予防や病状初期のケアに適しているということだね

逆に弱ったメダカに塩を入れてはいけないケース

塩水浴は多くの場合でメダカの体調回復に効果がありますが、全ての状況で適しているわけではありません。以下のようなケースでは、塩水浴を避けたほうが良いでしょう。

  • 重度の感染症
  • 極度に衰弱している場合
  • 極端に痩せている場合
  • 産卵直前や直後のメス
  • 稚魚や非常に若いメダカ

上記に当てはまるメダカは弱りすぎているため、塩水浴の水質変化に耐えられず死んでしまう恐れがあります。重症なメダカは病気なら適した薬浴をしたり、エアレーションを強くした上で粘膜保護剤を使用したり、餌を与えて体力を回復させることが優先した方がいい場合があります。

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この記事を書いた人

アクアリウムTIPSはプロショップをはじめとする多くのアクアリストに閲覧されているサイトです。熱帯魚、水草をはじめとする生体の育成管理ノウハウをはじめ多くの情報をお届け。定期的なコンテスト開催も行い、アクアリストを繋ぐメディアの運営に努めています。

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