ピンポンパールの寿命は?飼育が難しい理由といじめ対策と混泳について
ピンポンパールはらんちゅうやオランダ獅子頭に並ぶ人気の高い金魚です。名前の通り、ピンポン玉のように丸く、鱗はパールのような丸みを帯びた形になっているのが特徴です。ピンポンパールは成長すると20cmほどになりますが、12cm〜15cm程度のサイズで成長が止まることも珍しくありません。
ピンポンパールは1000円程度から購入することができるため、誰でも飼育を始めることができます。しかし、適切な水槽サイズや濾過器を用意しないと思うような成長をさせることができません。また、病気になるリスクもあるので基本的な魚の飼育方法は知っておきたいところ。本記事ではピンポンパールの飼育についてまとめているので参考にご覧下さい。
ピンポンパール(金魚)の特徴
ピンポンパールの情報 | |
---|---|
分類 | コイ目 コイ科 フナ属 |
学名 | Carassius auratus var. 45 |
別名 | 珍珠鱗(チンシュリン) パールスケール |
大きさ | 15cm〜20cm |
寿命 | 平均5年 10年以上の場合もある |
育成難易度 | |
温度 | 10〜26度 |
水質 | PH7.0〜PH8.0 |
硬度 | 1〜19 |
繁殖 | 産卵床への産みつけ |
参考価格 | 1,000円〜 |
ピンポンパールの由来
ピンポンパールは中国では珍珠鱗(チンシュリン)と言われています。珍珠とは真珠を意味します。
ピンポンパールの鱗は、ほかの金魚の鱗と異なった形をしていて、真珠を2つに割った形をしていることから「パール」とも呼ばれています。チンシュリンは身体がピンポン玉のようで、鱗がパール(真珠)のようであることから、ピンポンパールと呼ばれるようになりました。
ピンポンパールの寿命は5年前後
ピンポンパールの寿命は5年前後です。熱帯魚と比較すればそこそこ生きる年数ですが、金魚の中ではやや短い印象を受けます。環境によっては倍の10年生きることもあるようです。
ピンポンパールの飼育は難しい
ピンポンパールは金魚の中でも飼育難易度が高いです。理由は3つあります。
1つめの理由は、泳ぎが苦手なため、多少の水流でもストレスになってしまうということです。
2つ目の理由は、他の金魚と混泳をすると餌をバランスよく食べることができなかったり、いじめられてしまうことがあるということです。
3つ目は身体が丸く大きいため、ヒーターを設置せず水温管理をしない無加温飼育では消化不良を起こして病気になるリスクを持つということです。
水流調整が必要、混泳が不向き、無加温飼育が不向きの3つ視点から飼育難易度は他の金魚よりも難しいと言えます。
ピンポンパールの値段
ピンポンパールは1000円前後で購入が可能で高くても1500円前後です。
ピンポンパールの種類
- ピンポンパール
- コウトウパール
- ちょうちんパール
頭にコブのような肉瘤がある個体をコウトウパールといい、尾がフナのように若干長泳ぎが得意な個体をちょうちんパールといいます。
ピンポンパールの飼育方法
ピンポンパールの飼育水槽サイズ
ピンポンパールは飼育すると15cm程度まで大きくなります。購入時が5cm程度なら30cm水槽でも飼育できますが、10cm程度になると飼育は非常に困難です。
また、ピンポンパールを飼育する数にも注意が必要で、5cm程度のピンポンパールが幅30cm×奥行20cmほどの水槽なら1匹〜2匹が限度です。水温を高めに設定して飼育する場合は、3匹になると水質悪化のスピードが早まるため管理が難しくなります。ピンポンパールのサイズや数、水温による水質悪化速度に合わせて水槽サイズは選ぶようにしましょう。終身飼育をする場合は60cm水槽を用意した方が良いです。
サイズ別の飼育水槽サイズ
金魚サイズ | 水槽サイズ | 数目安 | 水量 |
---|---|---|---|
5cm | 幅30cm×奥行20cm | 1匹〜3匹 | 16L |
10cm | 幅45cm×奥行き30cm | 1匹〜2匹 | 27L |
15cm | 幅45cm×奥行き30cm | 1匹〜2匹 | 27L |
20cm | 幅60cm×奥行き30cm | 1匹〜3匹 | 57L |
ピンポンパールのオスメスの見分け方
オスとメスは追い星といって繁殖期にエラの部分やヒレに発現する白い斑点で見分けることが出来ます。追い星がない個体がメスで、追い星がある個体がオスになります。
その他の見分け方には肛門の形(オスは細長く、メスは丸い)や身体を指で押した時に全体的に柔らかいのがメス、硬いのがオスといった見分け方もあります。
ピンポンパールの好む水質
ピンポンパールをはじめとする金魚はPH7.0〜PH8.0の中性を好みます。PHがさらに低くなると弱酸性となり、水質的には好みません。どちらかというとPHが8.0以上になる方がまだ平気といったところでしょう。
日本の水道水はPH7.0〜PH8.0の場所も多く水質維持は比較的しやすいはずです。しかし、水質悪化や流木をたくさん入れている、土壌をソイルにしているといったことが原因で弱酸性に傾いてしまうことがあります。PH低下を防止するためにフィルター内に牡蠣殻(カキガラ)を入れるケースも珍しくありません。
水流は弱めが良い
ピンポンパールは泳ぐのが非常に苦手な金魚のため、水流は弱めに設定しましょう。濾過能力を上げようとすると水流も強くなりがちなので強い水流が生まれないように排水口を上向にする、ろ材を詰めて水流を弱めるといった工夫を取り入れましょう。
ピンポンパールは無加温飼育が向かない
ピンポンパールは胴体が他の金魚よりも大きいため、水温が下がると消化能力が落ち、消化不良によって転覆病やその他の病気になりやすい傾向があります。そのため、活力を落とさないように水温は22度〜26度ほどの熱帯魚と同じような環境で飼育することをおすすめします。
夏場はクーラーやファンが必要
夏場は超高水温になることがほとんど。高水温になると酸欠や水質悪化をまねいてしまします。病気をひき起こすやすくなるので夏場はクーラーや水槽ファンの設置が必要になります。
冬場はヒーターが必要
冬場には水温が低すぎるとストレスや消化不良を起こしやすくなります。また、昼と夜の水温差が大きいことが原因で病気になるリスクを抱えています。したがって、水温を一定に維持できるヒーターは導入しましょう。
ピンポンパールの好む餌・消化の良い餌
ピンポンパールをはじめとする金魚は食欲が非常にあるため、餌を決まった時間、決められた量を与えるようにしないと転覆病や松かさ病などを発病しやすいです。どちらも治療が難しく難病と言われています。
基本的に金魚は何でも食べますが、体を大きくするために高タンパク質・高脂肪の餌を与え続けると消化不良しやすくなってしまいます。脂質の少ない餌選びをするようにしましょう。また、最近では消化を助ける乳酸菌を配合した金魚の餌も販売されています。
金魚の餌に限らず、フィッシュフードには消費期限があります。消費期限を過ぎると酸化して消化が悪くなりますので、古い餌は捨てて新しい餌を与えるようにしましょう。
購入時は水合わせをしよう
ピンポンパールを購入した際は水槽に入れる前に水合わせをきちんと行いましょう。金魚は丈夫という観点から水合わせをせずに入れるケースが多々見られます。(金魚掬いで貰ってきた金魚など)
水合わせをせずに違う水質の水槽へ入れるとPHショックを起こし、すぐに死んでしまうことがあります。また、水温差があればストレスとなり、病気を発病するリスクにもなります。スイホウガン(水泡眼)を健康的に育てるためにも水合わせはきちんと行いましょう。
- 購入してきた袋を水槽に浮かべる。もしくは同じ温度の水が入ったバケツに袋ごと入れて30分放置。
- 袋に2〜3ヶ所穴を開けて導入する水槽に浮かべてさらに30分。(穴の空いた面を水中に)
- 袋にハサミを入れて先程よりも水が混ざるようにする。さらに30分放置。
- 最後に個体を水槽にうつし、袋の水は袋ごと取り除く。(気にならなければ水も入れて良い)
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
点滴法による水合わせがおすすめ
点滴法とは、エアチューブを利用して水を少しずつ加えていき、30分〜1時間ほどかけて水槽の水と購入時の水をチューニングする作業になります。先述したざっくりとした水合わせよりも魚にかかるストレスが少なく、病気の発病防止などに役立ちます。
まずは袋を開けずに水槽にそのまま浮かべて放置しましょう。袋の中身と水槽の水温を合わせるために行います。(※例なので写真は違う魚です)
季節によって温度差があると思いますが、購入してすぐに合わせるならおおよそ30分〜1時間ほど浮かべておけば大差ない温度になっているはずです。
購入時の袋が大きければ、水量も多いので水槽の中身を減らさないと溢れます。
水温を合わせたらバケツに袋の水と魚を入れます。冬場の場合は温度が水温が著しく落ちないようにヒーターを投入するのがおすすめです。(当たり前ですが水量とヒーターのサイズ等を間違えないように)
エアチューブを水槽に取り付け、その下にバケツを設置します。(水槽からバケツへはサイフォンの原理をしようします。)
点滴法をあまりにゆっくり時間をかけるととんでもない時間になってしまいます。長時間かけても大差ないため、30分〜1時間ほどが良いです。終わったら網で生体を掬い飼育水槽へ移しましょう。
ピンポンパールの混泳といじめ
ピンポンパールの混泳は難しい
冒頭ではピンポンパールは泳ぐのが苦手なことに加えて、無加温飼育は向いていないことを紹介しました。無加温飼育ではないということは、水温を26度前後に保つことを意味しているので、当然の事ながら金魚は活発化します。
活発化すると動きが激しくなるので、他の金魚にちょっかいをかけたり、かけられたりということが増える可能性があります。
泳ぎの得意な金魚は泳ぎの苦手なピンポンパールをいじめのターゲットにする可能性が高いですし、ピンポンパール同士でもいじめが発生する可能性があります。混泳は難しいため、失敗した時は隔離水槽を用意する必要があります。
別魚を入れていじめを対策する方法もある
ピンポンパール同士でいじめが発生する場合は、あえて別種の金魚を1匹加えることでいじめがなくなるケースもあります。ただし、どの個体がパトロール係になるかは相性や個性が全てですので、必ずしも成功するとは限りません。
ピンポンパールの病気と対策
体が自由に動かせなくなり、体がひっくり返って浮いてしまう病気です。消化不良やストレスが原因となり内臓疾患として発病するとも言われ絶対に治るとは言えません。塩浴やメチレンブルーによる対処療法しかありません。転覆病にならないように普段から消化の良い餌、温度を管理する必要があります。
見た目は身体に白い点が増えていく病気です。寄生虫が原因で水槽内の魚への繁殖力は強いです。導入時に合わせて水槽内に唐辛子を入れておくと初期治療や予防ができ、水草にも影響がないためおすすめ。気になる場合はヒコサンZやアグテン、メチレンブルーで1週間別水槽で薬浴してから水槽に加えるのが最も安全。
ヒレがバサバサとボロボロになっていく病気。魚の風邪とも言われるくらい発症しやすい病気でもあります。塩浴をすると悪化するので注意。適度な水換えをしつつ放置しておいても治りますが、気になるようなら隔離水槽でヒコサンZなどを使って薬浴しましょう。
松かさ病は丸々と膨れ上がり、鱗も逆立っている状態に見える病気です。初期症状から体が少し晴れたように見え、鱗も若干逆立ったように見えるのでおかしいと思ったらすぐに隔離して薬浴する必要があります。末期になると治すことが困難で死に至ります。グリーンFゴールド顆粒などが主な治療薬になります。
初心者でもできるピンポンパール飼育の流れ
ブラックネオンテトラの飼育に適した水槽や道具を準備します。その後、カルキ抜きした水を水槽にセットします。水温やレイアウトにも気をつけると良いでしょう。
購入したばかりのブラックネオンテトラをすぐに飼育水槽へ入れるとPHショックを起こす可能性があるので、必ず水合わせをおこなうようにしましょう。
ブラックネオンテトラには顆粒やフレーク、赤虫などを与えます。餌を与えすぎると水質が悪化して病気や死亡のリスクを抱えるので注意が必要です。
1週間に1回は水換えをおこなうようにしましょう。水換えをしないでおくと病気になるリスクが上がり、尾ぐされ病や白点病になる可能性があります。
ピンポンパールによくある質問
- ピンポンパールの特徴は?
-
ピンポンパールの鱗は、ほかの金魚の鱗と異なった形をしていて、真珠を2つに割った形をしていることから「パール」とも呼ばれています。チンシュリンは身体がピンポン玉のようで、鱗がパール(真珠)のようであることから、ピンポンパールと呼ばれるようになりました。
- ピンポンパールの寿命は?
-
ピンポンパールの平均寿命は5年前後になります。他の品種と同じように飼育環境によっては10年以上生きることもあるようです。
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