スイホウガン・水泡眼はかわいい金魚!袋がつぶれた時の対処や飼い方
スイホウガン(水泡眼)は目の下にブヨブヨとした大きな袋が付いている金魚です。スイホウガンについている袋は空気ではなく、リンパ液が詰まっています。
スイホウガン(水泡眼)は中国から輸入で入ってきた品種で今も輸入個体が多く販売されています。香川県では返礼品にしている地域もあり人気が高いです。
フワフワと水に揺れる姿から脆くて割れてしまう印象を受けますが、よほどの強い衝撃でない限りは割れません。ですが、怪我がないようにレイアウト配置や水流には気をつける必要があります。
本記事ではスイホウガン(水泡眼)を育てるのに必要な水槽サイズや水質、水流をはじめ袋がつぶれた時の対処方法や病気対策などをまとめています。
スイホウガン(水泡眼)の特徴
スイホウガン(水泡眼)の情報 | |
---|---|
分類 | コイ目 コイ科 フナ属 |
学名 | Carassius auratus auratus Ver |
別名 | バブルアイ |
大きさ | 10cm〜20cm |
寿命 | 平均5年 10年以上の場合もある |
育成難易度 | |
温度 | 10〜26度 |
水質 | PH7.0〜PH8.0 |
硬度 | 1〜19 |
繁殖 | 産卵床への産みつけ |
参考価格 | 1,000円〜 |
眼の下の袋が特徴的
スイホウガン(水泡眼)は目の下が風船のように膨らんだ金魚です。目の下の袋にはリンパ液が入っています。背ビレがない品種が主流ですが、背ビレのある個体も中国から稀に輸入されるとか。水泡眼は20cm前後まで成長し、環境によってはさらに巨大化するため、小さい水槽では飼育できません。
中国ではポピュラーな金魚
スイホウガン(水泡眼)は中国で品種改良されて生まれた金魚で出目金の突然変異から派生したとも言われています。日本での登場は1958年と約60年ほどの歴史があります。現在も中国産のスイホウガン(水泡眼)の流通があり、安価で入手するなら中国産を狙うのがおすすめです。
通販での販売値段
スイホウガン(水泡眼)は通販での取り扱いはかなり少なめです。ですが、小さい個体を通販で販売しているアクアショップはあるため、1匹あたり1000円〜2000円で購入することも可能です。大きい良個体になると8,000円〜10,000円になるのでかなり高価な金魚というのが分かります。
これからスイホウガン(水泡眼)を飼いたいという方は小さいサイズから愛情を持って育てることをおすすめします。
スイホウガン(水泡眼)の飼育方法
スイホウガン(水泡眼)の飼育水槽サイズ
スイホウガン(水泡眼)は飼育すると15cm程度まで大きくなります。購入時が5cm程度なら30cm水槽でも飼育できますが、10cm程度になると飼育は非常に困難です。
また、スイホウガン(水泡眼)を飼育する数にも注意が必要で、5cm程度のスイホウガンが幅30cm×奥行20cmほどの水槽なら1匹〜2匹が限度です。3匹になると水質悪化のスピードが早まるため管理が難しくなります。スイホウガンのサイズや数に合わせて水槽サイズは選ぶようにしましょう。終身飼育をする場合は60cm水槽を用意した方が良いです。
サイズ別の飼育水槽サイズ
金魚サイズ | 水槽サイズ | 数目安 | 水量 |
---|---|---|---|
5cm | 幅30cm×奥行20cm | 1匹〜3匹 | 16L |
10cm | 幅45cm×奥行き30cm | 1匹〜2匹 | 27L |
15cm | 幅45cm×奥行き30cm | 1匹〜2匹 | 27L |
20cm | 幅60cm×奥行き30cm | 1匹〜3匹 | 57L |
購入時は水合わせをしよう
スイホウガン(水泡眼)を購入した際は水槽に入れる前に水合わせをきちんと行いましょう。金魚は丈夫という観点から水合わせをせずに入れるケースが多々見られます。(金魚掬いで貰ってきた金魚など)
水合わせをせずに違う水質の水槽へ入れるとPHショックを起こし、すぐに死んでしまうことがあります。また、水温差があればストレスとなり、病気を発病するリスクにもなります。スイホウガン(水泡眼)を健康的に育てるためにも水合わせはきちんと行いましょう。
- 購入してきた袋を水槽に浮かべる。もしくは同じ温度の水が入ったバケツに袋ごと入れて30分放置。
- 袋に2〜3ヶ所穴を開けて導入する水槽に浮かべてさらに30分。(穴の空いた面を水中に)
- 袋にハサミを入れて先程よりも水が混ざるようにする。さらに30分放置。
- 最後に個体を水槽にうつし、袋の水は袋ごと取り除く。(気にならなければ水も入れて良い)
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
点滴法による水合わせがおすすめ
点滴法とは、エアチューブを利用して水を少しずつ加えていき、30分〜1時間ほどかけて水槽の水と購入時の水をチューニングする作業になります。先述したざっくりとした水合わせよりも魚にかかるストレスが少なく、病気の発病防止などに役立ちます。
まずは袋を開けずに水槽にそのまま浮かべて放置しましょう。袋の中身と水槽の水温を合わせるために行います。(※例なので写真は違う魚です)
季節によって温度差があると思いますが、購入してすぐに合わせるならおおよそ30分〜1時間ほど浮かべておけば大差ない温度になっているはずです。
購入時の袋が大きければ、水量も多いので水槽の中身を減らさないと溢れます。
水温を合わせたらバケツに袋の水と魚を入れます。冬場の場合は温度が水温が著しく落ちないようにヒーターを投入するのがおすすめです。(当たり前ですが水量とヒーターのサイズ等を間違えないように)
エアチューブを水槽に取り付け、その下にバケツを設置します。(水槽からバケツへはサイフォンの原理をしようします。)
点滴法をあまりにゆっくり時間をかけるととんでもない時間になってしまいます。長時間かけても大差ないため、30分〜1時間ほどが良いです。
終わったら網で生体を掬い飼育水槽へ移しましょう。
スイホウガン(水泡眼)の好む水質
スイホウガン(水泡眼)をはじめとする金魚はPH7.0〜PH8.0の中性を好みます。PHがさらに低くなると弱酸性となり、水質的には好みません。どちらかというとPHが8.0以上になる方がまだ平気といったところでしょう。
日本の水道水はPH7.0〜PH8.0の場所も多く水質維持は比較的しやすいはずです。しかし、水質悪化や流木をたくさん入れている、土壌をソイルにしているといったことが原因で弱酸性に傾いてしまうことがあります。PH低下を防止するためにフィルター内に牡蠣殻(カキガラ)を入れるケースも珍しくありません。
水流は弱めが良い
スイホウガン(水泡眼)は泳ぐのが得意な金魚ではないため、水流は弱めに設定しましょう。スイホウガンの水泡も水流が強すぎると形が崩れたり、破損する原因にもなりかねません。
水温は活動量のコントロールで決める
金魚の適温は15度〜26度程度とかなり幅があります。この水温幅から丈夫と勘違いされるのかもしれません。金魚は水温によって活動量が異なり、水温が低ければ活動量は少なく、水温が高ければ活動量が多くなります。
夏場の高水温は活発化するだけでなく、水質悪化も著しいです。特に高水温になれば酸素不足にも陥るため、体調不良を起こすやすくなるのでクーラーなどの設置が必要になります。
また、冬場には水温が低すぎるとストレスになる、昼と夜の水温差が大きいことが原因でストレスや病気になるというリスクを抱えています。したがって、水温を一定に維持できるヒーターは導入したいところ。
スイホウガン(水泡眼)の好む餌・消化の良い餌
スイホウガン(水泡眼)をはじめとする金魚は食欲が非常にあるため、餌を決まった時間、決められた量を与えるようにしないと転覆病や松かさ病などを発病しやすいです。どちらも治療が難しく難病と言われています。
基本的に金魚は何でも食べますが、体を大きくするために高タンパク質・高脂肪の餌を与え続けると消化不良しやすくなってしまいます。脂質の少ない餌選びをするようにしましょう。また、最近では消化を助ける乳酸菌を配合した金魚の餌も販売されています。
金魚の餌に限らず、フィッシュフードには消費期限があります。消費期限を過ぎると酸化して消化が悪くなりますので、古い餌は捨てて新しい餌を与えるようにしましょう。
スイホウガン(水泡眼)の水泡がつぶれた時の対処方法
スイホウガンの眼の下にある袋は空洞ではなく、リンパ液が詰まっています。潰れると縮こまった状態になり、かわいそうな姿になってしまいます。
水泡が割れる原因
スイホウガンの眼の下の袋は障害物に当たる、ヒーターなどに挟まる、他の魚に摘まれるといった何らかの衝撃で破裂すると言われますが、中にはストレスによって突然萎んでしまうケースもあるようです。
突然萎んでしまうケースの原因としてはストレスもありますが、体調不良もしくは病気の予兆により自己回復のためにリンパ液が減少し結果的に萎むのでは?という考察もあります。普段からストレスを与えないように水質に気をつける、事故で割れないようにレイアウトに気をつける必要はありますね。
- 鋭利な流木や石を置かない
- 挟まるようなレイアウトを組まない
- 混泳しすぎない
スイホウガン(水泡眼)の水泡がつぶれたら治らない?
スイホウガンの水泡は治ります。つぶれた際は水質悪化に気をつけて管理することでも自然治癒するようです。魚の自然治癒力を向上させる塩浴をするかは賛否が分かれます。塩浴には水との浸透力負荷を軽減できるメリットがあるので当サイトは塩浴を推奨します。
治療するスイホウガンは他の魚(金魚)との混泳はさけ、水温管理もしっかりできる隔離水槽で回復させましょう。塩浴と合わせて外傷のケアにグリーンFリキッドやメチレンブルーを使用することをおすすめします。
おすすめの混泳・混ぜても平気な金魚
泳ぎの早い金魚との混泳は避ける
スイホウガン(水泡眼)はふわふわとしたリンパ液の袋を持ち、尾ヒレが立っていることから泳ぎが俊敏ではありません。コメットや和金といった泳ぎの得意な金魚と混泳すると、泳ぎの苦手な金魚たちは水槽内でバランスよく餌を食べられず、成長速度に偏りが出てしまいます。
琉金系なら混泳できるが…
琉金やオランダ系は同じく泳ぎが得意ではないため、混泳してもそこまでストレスとはならないでしょう。ただ、別種であるため出来るだけ混泳は避けたいところ。
スイホウガン(水泡眼)のなりやすい病気と対策
体が自由に動かせなくなり、体がひっくり返って浮いてしまう病気です。消化不良やストレスが原因となり内臓疾患として発病するとも言われ絶対に治るとは言えません。塩浴やメチレンブルーによる対処療法しかありません。転覆病にならないように普段から消化の良い餌、温度を管理する必要があります。
見た目は身体に白い点が増えていく病気です。寄生虫が原因で水槽内の魚への繁殖力は強いです。導入時に合わせて水槽内に唐辛子を入れておくと初期治療や予防ができ、水草にも影響がないためおすすめ。気になる場合はヒコサンZやアグテン、メチレンブルーで1週間別水槽で薬浴してから水槽に加えるのが最も安全。
ヒレがバサバサとボロボロになっていく病気。魚の風邪とも言われるくらい発症しやすい病気でもあります。塩浴をすると悪化するので注意。適度な水換えをしつつ放置しておいても治りますが、気になるようなら隔離水槽でヒコサンZなどを使って薬浴しましょう。
松かさ病は丸々と膨れ上がり、鱗も逆立っている状態に見える病気です。初期症状から体が少し晴れたように見え、鱗も若干逆立ったように見えるのでおかしいと思ったらすぐに隔離して薬浴する必要があります。末期になると治すことが困難で死に至ります。グリーンFゴールド顆粒などが主な治療薬になります。
スイホウガン(水泡眼)によくある質問
- スイホウガン(水泡眼)の寿命は?
-
スイホウガン(水泡眼)の平均寿命は5年前後になります。他の品種と同じように飼育環境によっては10年以上生きることもあるようです。
- スイホウガン(水泡眼)の袋の中身は?
-
スイホウガン(水泡眼)の目の下にある風船のような袋の中にはリンパ液が入っています。外部からの衝撃で破れてしまうことがありますが、そう簡単に破れるものではありません。体調不良時やストレスによって萎むことがあり、個別に隔離し塩浴・薬浴を行うことで形を復活させることができます。
- スイホウガン(水泡眼)はいくら?
-
サイズの小さいスイホウガン(水泡眼)であれば通販で1000円〜2000円ほどで購入することが可能です。サイズアップすると8000円や1万円を超える値段になります。香川県の東かがわ市では返礼品としても扱われています。
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