水草水槽に底面式フィルターは合う?合わない?使う方法を含めて紹介
様々なフィルターの種類がある中で、「高いろ過能力」と定評のある底面式フィルター。今回はそんな底面式フィルターが水質管理でシビアな水草水槽に合うか、合わないか実際の使用しているレイアウトの事例を含めて紹介していきます。
そもそも底面式フィルターとは?
底面式フィルターとは、名前の通り水槽の底にフィルターを敷き詰め、エアーレーションのエアーリフト構造によって水流を循環させる仕組みフィルターです。底面式フィルターの上に被さる砂利やソイルが濾材となって、浄化する仕組みです。水槽の底全てが濾過フィルター状態になるため、濾過能力は必然的に高くなります。
底面式フィルターの値段は?
底面式フィルターは中古で100円からでも購入可能。新品でも500円〜2000円弱と非常に安いのが特徴です。別売りの投げ込み式の水中フィルターと併用すれば水流を強めたりすることもできるなど、カスタマイズ性にも優れています。
一般的に使われる場面は?
底面式フィルターは一般的に魚類飼育で使われることが多いです。アクアショップの生体入り水槽のほとんどは、床底フィルターを使用しています。というのも底面式フィルターなら濾過とエアー添加を同時に行う事ができるので水槽内を広く使う事ができるからです。
水草水槽と底面式フィルターが合わないとされる理由
水草水槽と床底フィルターの相性は昔から話題を集めています。基本的には「オススメしない」というアクアリストが多い印象です。理由としては以下の通り
- ソイルの栄養素を吸い上げて水中に舞ってしまうから
- 水草の根がフィルターに詰まり詰まってしまうから
- 水流が弱く淀み(よどみ)が生じるから
- 二酸化炭素効率が落ちるから
①ソイルとの相性
最も敬遠される理由は水槽内の栄養過多。厄介なコケの発生を誘発させてしまうこと、また、それらは目に見えないため、回避が難しいことが挙げられます。ただ、実際にはJUNなどで販売されている吸着性ソイルであれば栄養が水中に舞うというのは避けられるでしょう。また、立ち上げから頻度よく水換えをしていれば大きな影響はあまりないと言えます。
②水草の根とフィルターの相性
水草の根が絡まり詰まってしまう。という意見もありますが、ソイルの敷く量によるので個人差があります。また、半年〜1年といった短いサイクルでレイアウトを変えるという方は、詰まる所まで成長はしないでしょう。この意見は机上の空論っぽいのであまり耳を傾ける必要はなさそうです。
③水流の弱さ
底面式フィルターはエアーリフト構造によって水を循環させるので水流が弱いのが特徴です。ベタやボララスブリジッタエなど水流の弱い環境を好む生体を入れるならむしろ好都合でしょう。しかし、水流が弱いと黒髭コケなどが発生しやすく、水草水槽では厄介というのは拭えません。
水中モーター併用で解決することもできる
底面式フィルターをエアーリフトで稼働させるのではなく、水中モーターと併用すれば水流問題を解決する事ができます。ただ、水中モーターを使用するなら、底面式フィルターでなく外部フィルターを使うのが無難な気もしますが。
④二酸化炭素効率が落ちる
前述したように底面式フィルターはエアーリフト構造を使うため、24時間エアー添加される状態となります。そのため、co2が逃げてしまいます。100%co2が逃げてしまうわけではないため、添加効率(コスパ)が落ちる程度なので気にならない人は底面式フィルターでも水草水槽を運用する事が可能です。
底面式フィルターを水草水槽で使う場合
小さい水槽がおすすめ
水草水槽で底面式フィルターを活用する場合、濾過能力と水流のバランスを考えると30cm以下の水槽で使うのがベストでしょう。40cm以上になると濾過能力と水流が追いつかないです。おすすめとしては20cm〜30cmの水槽が取り入れやすいです。ボトル水槽になると底面式フィルターでもGEXから販売されているコロピカなどの水中モーター式の方が良いかもしれません。
水中モーターとの併用もおすすめ
前述したように同メーカーのフィルター同士なら水中モーターと連結させて使用することも可能です。あまりこの組み合わせはしないとは思いますが、予算の関係や既に持っている道具を組みわせて作りたい人は参考に。
▲外部式フィルターと直結させるやり方
エアーだけでは水流が弱すぎるため、淀みの発生は避けきれませんが、水中フィルターを使用することで水流を確保する事ができます。コケや藍藻の発生などを防ぎたい意味でもおすすめ。
滝水槽を作るために使う
底面式フィルターのパーツを利用して水槽内に滝を作ることもできます。初めて見る人には何を言っているのかわからないかもしれませんが、化粧砂をエアーリフトで巻き上げ、排水口から吐き出させることで水槽内に滝があるように見せる事ができるのです。以下の記事で滝水槽の作り方を紹介しているので参考にご覧ください。
まとめ
管理を徹底すれば水草水槽でもアリ
水換え、コケ取り、照明時間管理をしっかり行えば、高いろ過能力を存分に活かす事ができます。また、外部フィルターと併用すると水の透明度は非常に高いものとなります。ただし、床底に溜まった汚れを取らなければ、コケパニックは急に発生するので要注意。
▲水換えを少しサボるだけで急にコケが出てくる
藍藻が発生すると立て直しが厳しい
ただでさえ処理が困難な藍藻(ランソウ)。これが床底フィルターに発生すると、撲滅は非常に厄介。床底フィルターの排水パイプ内に藍藻が発生すると無限ランソウ排出機となってしまいます。また、薬やオキシドールによる処置もソイルを伝って行かなければならないため、前景水草に対するダメージは非常に高いです。
▲配管内にもランソウが付着してしまったケース
この場合、毎日の水換えでも軽減は難しい上に、生体に与える負荷は大きいです。有力としては数日間の完全遮光の処置が必要になります。撲滅には根気強さが必要になるので、レイアウトによってはリセットも考慮した方が無難かもしれません。