金魚コメットを巨大化する飼い方と寿命・性格で分かる混泳相性
日本からアメリカへ輸入されたフナやリュウキンが自然交配をして誕生したのがコメットです。コメットはヒレが長く大きいことに加えて、体長も最大で30cmにまでなる巨大金魚です。ヒレの長さと体長を合わせると15cmほどの金魚でも20cm以上に見えてかなり迫力があります。
カラーバリエーションが豊富で色によって見え方が大きく異なるというのもコメットならではの魅力ではないでしょうか。本記事ではコメットを巨大化する飼育方法や巨大化しない方法などといったポイントやコメットの寿命や混泳相性についてまとめています。ぜひ参考にご覧ください。
金魚コメットの寿命や特徴
金魚コメットの情報 | |
---|---|
分類 | コイ目 コイ科 フナ属 |
学名 | Carassius auratus var. 14 |
別名 | – |
大きさ | 10cm〜15cm |
寿命 | 平均5年 10年以上の場合もある |
育成難易度 | |
温度 | 18〜26度 |
水質 | PH7.0〜PH8.0 |
硬度 | 1〜19 |
繁殖 | 産卵床への産みつけ |
参考価格 | 900円〜 |
人気の高い長いヒレを持った金魚
日本からアメリカへ輸入されたフナやリュウキンが自然交配をして誕生したのがコメットです。アメリカからコメットとして日本へ再び輸入されているので逆輸入の金魚になります。
コメットは尾ヒレが非常に長く羽衣のような繊細さが特徴的です。素早く泳いだ姿が彗星のように見えることからコメットという名前が付けられています。原種である和金に近いので泳ぎはかなり得意な部類になります。
コメットの大きさは30cmになることもある
コメットは成長が早い金魚のため、割と早く20cm程度の大きさまで成長します。さらに成長し30cmにまで成長することも珍しくありません。したがってコメットを飼育するときは最低でも60cmほどの水槽は用意しましょう。
カラーバリエーションも豊富
コメットは白や紅白、頭部だけが赤い丹頂、赤白黒が混ざったキャリコ柄など様々あります。中でも黄色いレモンコメットやゴールデンコメットは人気カラーになります。
金魚コメットの飼い方
金魚コメットに適した水槽サイズ
コメットは飼育すると最大で30cm程度まで大きくなります。購入時の大きさは5cm〜8cm程度がほとんどです。すぐに大きくなることを考えれば30cm水槽での飼育は難しいでしょう。コメットは長くて綺麗なヒレが魅力的です。小さい水槽ではせっかくのヒレも擦れてしまったり、切れてしまう恐れがあります。
コメットを飼育する数にも注意が必要で、8cm程度のコメットを飼育する場合、幅30cm×奥行20cmほどの水槽なら1匹が限度です。水温を高めに設定して飼育する場合は、水質悪化のスピードが早まるため管理が難しくなります。
コメットのサイズや数、水温による水質悪化速度に合わせて水槽サイズは選ぶようにしましょう。終身飼育をする場合は60cm水槽以上のサイズを用意した方が良いです。
金魚サイズ | 水槽サイズ | 数目安 | 水量 |
---|---|---|---|
8cm | 幅30cm×奥行20cm | 1匹 | 16L |
10cm | 幅45cm×奥行き30cm | 2匹〜3匹 | 27L |
15cm | 幅45cm×奥行き30cm | 1匹〜2匹 | 27L |
20cm | 幅60cm×奥行き30cm | 1匹〜3匹 | 57L |
金魚コメットに合う水質
コメットをはじめとする金魚はPH7.0〜PH8.0の中性を好みます。PHがさらに低くなると弱酸性となり、水質的には好みません。どちらかというとPHが8.0以上になる方がまだ平気といったところでしょう。
日本の水道水はPH7.0〜PH8.0の場所も多く水質維持は比較的しやすいはずです。しかし、水質悪化や流木をたくさん入れている、土壌をソイルにしているといったことが原因で弱酸性に傾いてしまうことがあります。PH低下を防止するためにフィルター内に牡蠣殻(カキガラ)を入れるケースも珍しくありません。
金魚コメットのオスメスの見分け方
オスとメスは追い星といって繁殖期にエラの部分やヒレに発現する白い斑点で見分けることが出来ます。追い星がない個体がメスで、追い星がある個体がオスになります。
その他の見分け方には肛門の形(オスは細長く、メスは丸い)や身体を指で押した時に全体的に柔らかいのがメス、硬いのがオスといった見分け方もあります。
金魚コメットのおすすめの餌と餌の量
金魚コメットをはじめとする金魚は食欲が非常にあるため、餌を決まった時間、決められた量を与えるようにしないと転覆病や松かさ病などを発病しやすいです。どちらも治療が難しく難病と言われています。
基本的に金魚は何でも食べますが、体を大きくするために高タンパク質・高脂肪の餌を与え続けると消化不良しやすくなってしまいます。脂質の少ない餌選びをするようにしましょう。また、最近では消化を助ける乳酸菌を配合した金魚の餌も販売されています。
金魚の餌に限らず、フィッシュフードには消費期限があります。消費期限を過ぎると酸化して消化が悪くなりますので、古い餌は捨てて新しい餌を与えるようにしましょう。
購入時は水合わせをしよう
金魚コメットを購入した際は水槽に入れる前に水合わせをきちんと行いましょう。金魚は丈夫という観点から水合わせをせずに入れるケースが多々見られます。(金魚掬いで貰ってきた金魚など)
水合わせをせずに違う水質の水槽へ入れるとPHショックを起こし、すぐに死んでしまうことがあります。また、水温差があればストレスとなり、病気を発病するリスクにもなります。コメットを健康的に育てるためにも水合わせはきちんと行いましょう。
- 購入してきた袋を水槽に浮かべる。もしくは同じ温度の水が入ったバケツに袋ごと入れて30分放置。
- 袋に2〜3ヶ所穴を開けて導入する水槽に浮かべてさらに30分。(穴の空いた面を水中に)
- 袋にハサミを入れて先程よりも水が混ざるようにする。さらに30分放置。
- 最後に個体を水槽にうつし、袋の水は袋ごと取り除く。(気にならなければ水も入れて良い)
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
点滴法による水合わせがおすすめ
点滴法とは、エアチューブを利用して水を少しずつ加えていき、30分〜1時間ほどかけて水槽の水と購入時の水をチューニングする作業になります。先述したざっくりとした水合わせよりも魚にかかるストレスが少なく、病気の発病防止などに役立ちます。
まずは袋を開けずに水槽にそのまま浮かべて放置しましょう。袋の中身と水槽の水温を合わせるために行います。(※例なので写真は違う魚です)
季節によって温度差があると思いますが、購入してすぐに合わせるならおおよそ30分〜1時間ほど浮かべておけば大差ない温度になっているはずです。
購入時の袋が大きければ、水量も多いので水槽の中身を減らさないと溢れます。
水温を合わせたらバケツに袋の水と魚を入れます。冬場の場合は温度が水温が著しく落ちないようにヒーターを投入するのがおすすめです。(当たり前ですが水量とヒーターのサイズ等を間違えないように)
エアチューブを水槽に取り付け、その下にバケツを設置します。(水槽からバケツへはサイフォンの原理をしようします。)
点滴法をあまりにゆっくり時間をかけるととんでもない時間になってしまいます。長時間かけても大差ないため、30分〜1時間ほどが良いです。終わったら網で生体を掬い飼育水槽へ移しましょう。
金魚コメットを巨大化する方法と巨大化させない方法
コメットを巨大化させる方法
コメットを巨大化させる方法はシンプルで、大きい水槽や池で飼育したり、高タンパク質の餌を与えることになります。大きい水槽というのは遊泳スペースが確保できる水量という意味になりますので、横幅が広く、奥行きが狭いといった水量が確保できない水槽ではないので間違えないようにしましょう。
また、コメットは尾ヒレの切れ込みの深さがある個体ほど大きくなる可能性があると言われています。小さい個体のうちから大きくなるかを見極めるのも良いでしょう。
- 大きい水槽で飼育する
- 水温を上げて活発化させる
- 高タンパク質の餌を与える
- 尾鰭の切れ込みが深い個体を選ぶ
コメットを大きくしない方法
金魚はどうしても巨大化してしまう生き物ですが、飼育環境によっては巨大化しないことがあります。有名な手段としては水温を下げる、餌の頻度を減らす、エアレーションの量を減らすといった方法があります。
バランス良く全てを減らすことができれば、健康に害を与えることなく、飼育することができますが、元々温暖な環境で飼育していたコメットを急に低い水温で飼育すると病気になるリスクがあります。環境を変化させるときは徐々に水温を下げながら餌の頻度も減らすようにしていきましょう。
- 小さい水槽で飼育する
- 15度前後の低い水温で飼育する
- 与える餌の量を減らす
- 日照時間(ライトの点灯時間)を減らす
金魚コメットの性格と混泳について
泳ぎの苦手な金魚と混泳はおすすめしない
コメットは流線形をした金魚で泳ぎが得意です。金魚同士を混泳させるときは同じ遊泳力のある金魚同士の混泳をしないと、泳ぎの苦手な金魚はいじめの対象になったり、つつかいたりすることがあります。また、縄張り意識があるため、やや攻撃的で小競り合いを起こすことがあります。
臆病な一面もある
コメットは同じ水中内の生体同士では強きになる一面がありますが、外の世界には臆病です。飼育に慣れていないときは人が近づいた時やライトが点灯した時に慌てることがあります。慣れてしまえば懐っこく寄ってきます。水槽や池で飼育するときは暗がりを作ってあげるとストレスを減らすことができます。
金魚コメットがかかる病気と対策
体が自由に動かせなくなり、体がひっくり返って浮いてしまう病気です。消化不良やストレスが原因となり内臓疾患として発病するとも言われ絶対に治るとは言えません。塩浴やメチレンブルーによる対処療法しかありません。転覆病にならないように普段から消化の良い餌、温度を管理する必要があります。
見た目は身体に白い点が増えていく病気です。寄生虫が原因で水槽内の魚への繁殖力は強いです。導入時に合わせて水槽内に唐辛子を入れておくと初期治療や予防ができ、水草にも影響がないためおすすめ。気になる場合はヒコサンZやアグテン、メチレンブルーで1週間別水槽で薬浴してから水槽に加えるのが最も安全。
ヒレがバサバサとボロボロになっていく病気。魚の風邪とも言われるくらい発症しやすい病気でもあります。塩浴をすると悪化するので注意。適度な水換えをしつつ放置しておいても治りますが、気になるようなら隔離水槽でヒコサンZなどを使って薬浴しましょう。
松かさ病は丸々と膨れ上がり、鱗も逆立っている状態に見える病気です。初期症状から体が少し晴れたように見え、鱗も若干逆立ったように見えるのでおかしいと思ったらすぐに隔離して薬浴する必要があります。末期になると治すことが困難で死に至ります。グリーンFゴールド顆粒などが主な治療薬になります。
金魚コメットの育て方によくある質問
- 金魚コメットの平均寿命は?
-
琉金の平均寿命は5年から10年になります。個体によっては15年以上生きることがあります。詳しくは「金魚コメットの寿命や特徴」をご確認下さい。
- 金魚コメットの飼育は難しい?
-
コメットは原種に近いフナのような形をしており、泳ぎが得意な金魚です。金魚の中では丈夫で、水流を弱めたり、水温を過敏に気にしなくてはいけないといったことがないため飼育しやすいです。
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