塩浴の濃度計算は1L小さじ1杯でOK!やり方・水替え・戻し方
塩浴は水槽の水分と魚の体の水分に含まれる塩分濃度を近づけることで、金魚やベタといった魚の体への負荷を軽減することができます。
塩浴は万能の治療法として取り上げられますが、尾ぐされ病などの原因菌であるカラムナリス菌やコショウ病の原因であるウーディニウムは塩浴の濃度で増殖することで知られています。
塩浴にはおこなって良い場合と、おこなうなら条件をつけておこなった方が良い場合があります。塩浴の正しいやり方と使用場面を理解しておかないと魚の治療がうまくいかないことがあります。
この記事では塩浴の効果や誰でもできる簡単なやり方、必要な塩の計算方法、塩浴が効かない病気(逆効果)の事例などもまとめているので参考にご覧ください。
すぐ分かる!塩浴計算機
塩浴に必要な塩の量を計算
水の量は「10L」なら「10」と入力し、「1L500ml」なら「1.5」と入力してください。
水の量 (L):
必要な塩の量: g
塩浴の効果とメリット
病気の初期症状に効果的
塩浴は淡水魚の治療法としてポピュラーなやり方です。白点病やコショウ病、転覆病、松かさ病など、魚が発症するほとんどの病気に効果があると言われています。ただし、カラムナリス菌が原因となる尾ぐされ病や寄生虫ウーディニウムが原因で起きるコショウ病は薬浴と同時におこなわないと逆効果になります。
魚のストレスを緩和させる
魚は水中と体内の塩分濃度を調節するために常に浸透圧の調整を行っています。水槽内の真水を魚の体内塩分濃度(約0.5%)に近づけることで浸透圧調整のよるストレスを軽減することができます。
塩浴したまま飼育できる?
ベタや金魚飼育のベテランは常に塩浴状態というケースもあるそうです。しかし、塩浴は水が汚れやすく手入れが大変なのでおすすめしません。
また、水草を入れている場合は0.5%の濃度でもほぼ確実に枯れてしまいます。水槽に魚しかいない状態であれば実現できるかもしれません。(当サイトでは推奨しません。)
外傷などによる体表ケアにも最適
病気や怪我で潰瘍や外傷、粘膜の剥がれなどが起こると体液が流出したりして固体が弱ってしまうことがあります。塩浴をすると体液の流出をカバーでき、治癒の促進が狙えます。
外傷のある魚にはエロモナス菌やカラムナリス菌、ミズカビが感染しやすいのでアグテンやヒコサンZ、グリーンFリキッドなどを合わせて使用することをおすすめします。
塩浴の濃度計算とやり方
ただの食塩を用意しよう
塩にも種類がありますが、食用のただの塩で良いです。一般的に売られている塩です。味塩は塩成分に別途旨み成分(化学調味料)が含まれているので控えましょう。
塩浴用の水槽を確保しよう
基本的に塩浴用の水槽またはバケツは必要です。100均で売っているタッパでも良いでしょう。既に砂利を敷いてある水槽など、体積のある物があると実際の想定水量よりも水が少なく、塩分濃度が高くなってしまう場合があります。別容器なら中に入れる水量を指定できるので入れる塩の量も狂わなくなります。
12リットル水槽でも2Lの砂利が敷いてあったら実際は10リットルの水量だもんね。
また、最初の設定水量をしっかり把握できる道具(ペットボトルなど)があると塩分を抜く際に非常に役立ちます。
塩の濃度計算は1L小さじ1杯でOK
1Lあたり5gの塩があればOK。
予め空の水槽に2Lペットボトルなどの水量が測れるもので水を入れていき、それに合わせて塩を入れていくのが確実です。5gは軽量スプーン(小さじすり切り)で計れちゃうのでわざわざ計量器など出さなくて済みます。
2Lペットボトルで小さじ2杯分って覚えたら楽チンだね!
塩浴をするときは濾過器(フィルター)を使わない
ロカボーイなど濾過機能があると塩分濃度が薄まってしまったり、一定部分に塩分が偏る場合があります。水流を回したいなら水中モーターだけで運用したりエアーストーンだけつけるようにしましょう。
塩浴期間と水換えについて
塩浴期間は約1週間から2週間に設定し、魚の体調に合わせて行いましょう。水が汚れやすいので餌の投与は厳禁。餌をあげずとも水は汚れるので、水換えする際は2Lペットボトルを目安に使い、新しい塩水と古い塩水を入れ替えましょう。
塩浴からの戻し方・終わらせ方
4日かけて水換えをして戻そう
塩浴を終える際は一気に水換えをせず、徐々に真水に戻す必要があります。初日は半分。翌日はその半分といったように1日ごとに水を半分入れ替えていきましょう。
4日目になると塩分濃度はかなり低いので水を丸ごと入れ替えてしまう、もしくは飼育水槽に戻してあげましょう。より慎重になる場合は真水に戻した後に、飼育水槽との水合わせが良いかもしれませんね。
水を半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす
水をさらに半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす
水をさらに半分入れ替えて塩浴の濃度を50%減らす
塩浴のデメリットや嘘情報
本当:水草が溶ける
ほとんどの水草は塩水に耐えれないので枯れてしまったり溶け始めてしまいます。塩浴するなら塩浴用の隔離水槽を準備する必要があります。(タンク水槽ならそのまま塩浴を始めても問題ないです。)
嘘:バクテリアが死んでしまう
塩水約0.5%程度では濾過バクテリアには影響がほとんどありません。
嘘:尾ぐされ病にも塩浴
感染症の原因でもあるカラムナリス菌は塩分濃度0~0.5%でよく発育すると言われています。(参考書:魚介類の微生物感染症の治療と予防)カラムナリス菌が原因で発症する尾ぐされ病や口ぐされ病、エラ病になったときは塩浴だけおこなうということはやめましょう。
塩浴のやり方まとめ
今まで沢山書いて来ましたが、それを読むことすらめんどくさい、塩浴の手順だけ教えてくれ!という方は以下を参照してください。
塩浴に必要な道具
必要な道具 | |
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隔離用の水槽(なんでも良い) | エアーポンプ |
ヒーター・クーラー | 食塩 |
ペットボトル(測り用) | 計量スプーン5g |
塩浴の流れ早見表
塩浴に関してよくある質問
- 塩浴の塩を入れる量を簡単に計算するには?
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塩浴に適した塩の量は1Lあたり5gです。5gは小さじスプーン1杯分なので小さな水槽ほど計算が簡単です。細かく塩の量を測りたい人は「塩浴の塩分濃度自動計算ツール」をご活用ください。
- 塩浴は何日間おこなうべき?
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塩浴で魚の治療や回復の様子を見るときは最低でも1週間ほどを見ます。塩浴の終わらせるときは1日ごとに50%の水換えをおこなって合計で4日間でもとの飼育水に戻すようにすると良いです。詳しい流れは「塩浴の流れ早見表」をご確認ください。