アヌビアスナナの活着や水上育成のコツ・開花温度・レイアウトを解説
初心者から上級者まで親しまれている陰性植物のアヌビアスナナ。大きい葉のアヌビアスナナや小さくレイアウトに融通が効くアヌビアスナナプチなど様々な形で存在する水草です。育てる条件が優しく、光量も低めでOK、二酸化炭素なしでも育つといった初心者にも扱いやすい水草です。
アヌビアスナナは活着といって石や流木に根っこがくっつく性質を持っていて色々なレイアウトに使うことができます。この記事では活着の仕組みやアヌビアスナナの花が咲くタイミングと温度や増やし方などを紹介しています。
アヌビアスナナはどんな水草?
アヌビアスナナの情報 | |
---|---|
分類 | サトイモ科 アヌビアス属 |
学名 | Anubias barteri var. nana |
類似水草 | アヌビアスナナ ゴールデン アヌビアスナナプチ |
別名 | – |
葉の大きさ | 葉長7cm前後 葉幅5cm前後 |
育成難易度 | |
成長速度 | 早い |
レイアウト配置 | 中景〜後景 |
温度 | 22〜26度 |
水質 | 5.8〜7.5 |
硬度 | 1〜4 |
二酸化炭素(CO2) | なくても育つ |
光量/照明 | 暗くても育つ |
増やし方 | 株分け |
参考価格 | 編集中 |
編集中 | |
編集中 |
アヌビアスナナは中景や後景として
アヌビアスナナは葉が大きいため、中景や後景草として用いられる事がほとんどです。同じ形をしたアヌビアスナナが最前でうえられているとしたらそれはアヌビアスナナプチでしょう。
小型水槽は1ポットで十分
アヌビアスナナの1ポット分は相当な量です。根もしっかりしているので、30cm水槽では大きすぎて全て使い切るのは難しいでしょう。自身の水槽サイズを把握し、1ポットで買うか、苗で買うか決めないと廃棄が出る可能性があります。
アヌビアスナナプチとの違い
アヌビアスナナプチは名前の通りプチサイズ。成長してもアヌビアスナナのように大きくなりません。細かいアクセントとして活用できます。
水質が良ければ花を咲かす
アヌビアスナナは水質が良く、温度が25度前後あると蕾をつけ、花を咲かします。水上花として独特なフィルムで有名な、同じサトイモ科のアンスリウムと同じ形状の花を水中で見ることができます。アンスリウムは冬を越せないのに対し、一定水温で管理するアヌビアスなら一年中花を見ることができます。
アヌビアスナナの活着方法
ストレスを与えると活着する
活着とは水草の根っこが石や流木に付着して剥がれない状態を意味します。活着させるとソイルに植えなくてもレイアウトに使うことができるので、中景のワンポイントに添えることができるといった自由度を広げることができます。
活着の仕組みは「水草がその場から流されないように踏ん張る」性質を利用したものになります。そのため、水流がなくストレスのかからない場所に石に巻きつきたアヌビアスナナを置いておいてもなかなか活着することがありません。しかし、水流がある場所に活着させたいアヌビアスナナと石や流木を置いておくと割と早く活着してくれます。
活着させるときは釣り糸(テグス)で巻き付けるか、時間経過で糸が溶けて外れる木綿糸(モスコットン)を使用すると良いです。
茎や葉は活着しない
水草が石や流木にくっつくことを活着と呼ぶのは間違っているようで、間違っています。正しくは、根が素材にくっつくことなので茎や葉をテグスやモスコットンで巻き付けても活着しません。ただし、茎から出た根っこが素材にくっつくことはあります。大事なのは根を素材に触れさせておくことになるので注意しましょう。
アヌビアスナナの育て方
アヌビアスナナに必要な光量
水槽規格 | まぁまぁ育つ | 十分育つ |
---|---|---|
30cm | 300~500lm | 588~1,176lm |
45cm | 750~1,000lm | 1,500~2,000lm |
60cm | 1,000~2,000lm | 2,550~3,000lm |
主な基準参考商品:リーフグロー、suisaku300~、KOTOBUKIツイン、GEXパワーⅢ、アクロtriangle
アヌビアスナナは陰茎草といって光がなくても育つ植物のため、高い光量は必要としません。薄暗くても維持することは可能です。また、新芽もゆっくりですが、出してくれます。ただし、成長が緩やかだとコケに覆われてしまうことがあるので、暗すぎる状態や水替えをしない環境にずっとおくことはおすすめしません。
おすすめのLEDライト
品質 | ライト名 | 規格別 詳細 | |||
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水作ライトアップ | |||||
ルーメン | 588〜936lm | ||||
GEXクリアLEDパワーⅢ | |||||
ルーメン | 500~1000lm | ||||
アクロ TRIANGLE LED GROW | |||||
ルーメン | 1000~3000lm | ||||
Chihiros wrgb2 | |||||
ルーメン | 2300~4500lm |
アヌビアスナナにCO2は必要?
アヌビアスナナはco2がなくても育ち、新芽も出します。ただし、成長が促進されないため、葉っぱが黄ばんでしまったり、黒ずんでしまう現象が起きることがあります。
アヌビアスナナのトリミングと増やし方
観葉植物と同じように邪魔だなと思う葉は根元から切り落としましょう。茎を大きく残すとそこから痛み、弱って溶けてしまうことがあります。
アヌビアスナナは株分けで増やす
かなり丈夫な水草なので根と葉が付いていれば適当に切っても成長します。ただし、葉はできるだけ3枚以上あると良いです。
アヌビアスナナのコケ対策は必要
アヌビアスナナは成長がゆっくりなため、新芽と古い葉の入れ替えがほとんど起こリマ戦。そのため、スポット苔状のコケが葉につきやすいです。オトシンクルスやブッシープレコ、サイアミーズフライングフォックスなどのコケ取り生体を入れることで綺麗な状態を維持しやすくなります。
アヌビアスナナの葉は頑丈なので、メラミンスポンジでスポット状のコケを取り除くこともできます。ただし、あまり強く擦ると葉っぱが禿げて枯れる原因になるので優しく拭き取るようにするのがポイントです。
アヌビアスナナの花を咲かすコツ
アヌビアスナナの花を咲かす要素
- 高い光量を浴びせる
- co2を添加する
- 26度前後の温度で育てる
アヌビアスナナの花を咲かせるには、それなりに高い光量、co2の添加、26度前後の温度管理が必要になります。この3点を揃えるだけで爆発的に新芽を出すようになります。新芽と共に蕾を出すことが多いので、手っ取り早く蕾をつけたいなら成長を促すのが良いでしょう。
アヌビアスナナの成長が遅いと思ったら追肥
上記の3点を抑えても新芽がでないのであれば、肥料不足が考えられます。新芽が出ない上に葉が黄色味を帯びてきたともなれば栄養不足です。固形肥料による追肥がおすすめです。
サトイモ科は高温度が好き
水上植物のアンスリウムは10度以下では成長できません。同科目であるアヌビアスナナも低い温度では成長が止まります。できるだけ26度前後を維持しましょう。
アヌビアスナナを使ったレイアウト
アヌビアスナナをお得に買う場所
ネットやフリマアプリは避ける
オンラインショップは送料が高い
オンラインショップでは価格こそ高くないものの、送料を加味すると1000円を超える場合がほとんどです。また、苔のついてる状態やスネール事情が読めないので、オンラインショップでの購入はおすすめしません。
フリマアプリも品質が読めない
フリマアプリはかなり安く取引されており、400円前後(送料込み)で購入できます。ただ、こちらも苔のついてる状態、スネールの状態などがわからない為、購入はあまりおすすめしません。(初心者でも育てやすい品種のため、品質の振り幅は広い。)
アヌビアスナナはアクアショップで買う
アヌビアスナナはお店によって売り方は様々で、価格もかなり幅があります。価格としては1ポットにつき、高くても900円前後で、安いところは500円を切るお店があります。ただ、安ければ良いというわけでなく、そのショップの水槽の状態もしっかり見て買うべきでしょう。
- 黒ヒゲ苔がないか
- スネールがついていないか
- ミズゲジが付着していないか
- バラ売りしているか(株分け)
上記の4点は確認できると質が良く、好みの量を購入することができます。
アヌビアスナナのよくある質問
- アヌビアスナナの洗い方は?
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アヌビアスナナをショップから購入してきたときは、「水草その前に」という消毒剤を使って10分間付け置きしましょう。スネールの卵やミズゲジといった害虫を駆除することができます。また、アヌビアスナナに黒ヒゲ苔が付着してしまった時は薄めた木酢液をその部分に塗るといった処置で綺麗にすることができます。
- アヌビアスナナの耐寒性は?
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アヌビアスナナは寒さに弱いのでできればヒーターを設置している水槽で育てたいところ。しかし、水温15度程度が維持できている環境でも十分育てることができます。また、水中に全て浸っているなら、越冬できる個体も出てきます。