失敗しないグロッソスティグマの植え方や育て方とトリミング
- グロッソスティグマが上に伸びる
- グロッソスティグマが枯れる、白化する、上に伸びる
- グロッソスティグマはco2なしで育つ?
といったグロッソスティグマを育てる上で悩み事が多いのではないでしょうか?グロッソスティグマは初心者向けと言われながらも育て方を間違えると水草の絨毯を作ることができず、茎が伸びてしまったり、最悪の場合、枯れてしまいます。
そこで本記事では絨毯を作る上で必要な光量や水質条件などを紹介。また、グロッソスティグマを育てる上で抑えるべきポイントや実際のレイアウトを紹介しています。
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グロッソスティグマはどんな水草?
グロッソスティグマの情報 | |
---|---|
分類 | ゴマノハグサ科 |
学名 | Glossostigma elatinoides |
類似水草 | ニューラージパールグラス |
別名 | グロッソ |
葉の大きさ | 葉幅1~2mm |
育成難易度 | |
成長速度 | 早い |
レイアウト配置 | 前景 |
温度 | 22〜26度 |
水質 | 6.0〜7.5 |
最適硬度 | 1〜3 |
育てるのが むずかしい硬度 | 4以上 |
二酸化炭素(CO2) | 必須 |
光量/照明 | 高い光量が必要 |
増やし方 | ランナー |
参考価格 (カップ) | Yahoo! 980円〜 |
Amazon 1,000円〜 | |
楽天市場 850円〜 |
グロッソスティグマは代表的な前景水草
グロッソスティグマは代表的な前景水草です。水草水槽(ネイチャーアクアリウム)を始めようと思う人が最初に知る水草かもしれない。というほど有名な水草です。
巨大水草水槽を展示している「すみだ水族館」でもグロッソスティグマは使用されてます。(幅7mの水槽かつ、高さのある巨大水槽でグロッソスティグマを敷き詰めているのは世界でここだけ)育てる人が上手な人ほど色が濃く、葉が大きいグロッソスティグマにすることができます。
水中葉と水上葉は色が違う
代表的な水草ゆえに水中葉と水上葉の2つのパターンで多く販売されています。どちらも同じように見えますが、水中葉と水上葉では特徴が変わってきます。水上葉は緑がより濃く、葉に厚みがあります。一方で水中葉は水上葉と違って、若干黄緑色に近い色合いで、葉も柔らかいです。水上葉は水中で維持できないので、水中化になるにつれて枯れて溶けていきます。
初心者が育てるのは難しい水草
どこもかしこも「グロッソスティグマは初心者に向いている水草」と紹介していますが、グロッソスティグマを綺麗に育てるには、質が高く十分に明るい光量、水質、CO2、栄養素が必要になってきます。
条件が揃わないと、茎が上へ伸びて行ってしまう、葉が黄色くなる、葉に穴が開く、小さくなるといった姿になり、思い描いていたものとかけ離れていってしまうのはザラです。大抵の初心者はリセットを余儀なくされることが多いので、初心者潰しの水草でもあります。
前景草おすすめ ランキング | 8位 |
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グロッソスティグマは有茎植物ですので、光量が不足していると茎が伸びてしまい、這ったように成長してくれません。そのため、グロッソスティグマを使っての水草の絨毯をつくることができなくなります。
グロッソスティグマの育成は難しい?アンケート
6割近い人がむずかしいと感じている
当サイトで独自にグロッソスティグマの育成はむずかしいかアンケートをとったところ、6割近い人が育成にむずかしさを感じていることがわかった。また、むずかしいと思わない人は4%〜5%とかなり低い結果となった。
この結果からグロッソスティグマの育成に慣れている人やどんな水草でも育てられる上級者以外は原則的にむずかしい水草であると思って良いだろう。
グロッソスティグマの育て方
グロッソスティグマは砂利よりソイルがおすすめ
グロッソスティグマはPH7.0前後で成長しやすくなるため大磯などの砂利よりもソイルを使用することをおすすめします。またソイルの粒はパウダーもしくはスーパーパウダーといった小粒を選んだ方が奥深くまで植栽できるためおすすめ。粒が大きいと抜けやすくなったり、絨毯を作るのに時間が掛かってしまいます。
グロッソスティグマに適した硬度
グロッソスティグマはGH1〜3の環境で育てやすい傾向にあります。アクアリウムの硬度はマグネシウムやミネラルを含んだ総合的な値を示していて、日本の水道局では1Lあたりmgで表記しています。
従って水道局のデータに直すと17.8mg〜53.4mgがちょうど良いことになります。硬度は地域の水道水によって違うため、住んでいる場所によっては、浄水器や硬度を下げるフィルターを使わないとうまく育てられません。
浄水器を導入できない時はグロッソスティグマの育成を諦めるか、GEXなどから販売されているイオン交換樹脂を使ったフィルターを使用するといった選択が求められます。
グロッソスティグマの植え方
グロッソスティグマは葉が見えなくなるくらい深く植え込んでも問題ありません。むしろ「光を当てたい」という理由から浅く植えると根付きが悪かったり、抜ける原因になります。
葉が埋まってしまっても新芽がすぐに顔を出します。浅く植えるとグロッソスティグマが縦に伸びる原因にもつながるので、深く植えるように心がけましょう。
グロッソスティグマに必要な光量
水槽規格 | まぁまぁ育つ | 十分育つ |
---|---|---|
30cm | 300~500lm | 588~1,176lm |
45cm | 750~1,000lm | 1,500~2,000lm |
60cm | 1,000~2,000lm | 2,550~3,000lm |
主な基準参考商品:リーフグロー、suisaku300~、KOTOBUKIツイン、GEXパワーⅢ、アクロtriangle
グロッソスティグマはかなり高い光量を浴びせないと綺麗に育てることはできません。光量が低いと背丈が高く伸びていきます。
30cm水槽なら588lm以上、45cm水槽なら1500lm以上、60cm水槽なら2550lm以上の光量が必要です。ADAのLEDライトやChihirosといったRGBライトは高い光量が保証されているので1台でも十分育てることができます。
しかし、安物のLEDライトは光量が満足できるほど高くなく、光の質も良くないので2つ設置が求められることが多いです。
おすすめのLEDライト早見表
品質 | ライト名 | 規格別 詳細 | |||
---|---|---|---|---|---|
水作ライトアップ | |||||
ルーメン | 588〜936lm | ||||
GEXクリアLEDパワーⅢ | |||||
ルーメン | 500~1000lm | ||||
アクロ TRIANGLE LED GROW | |||||
ルーメン | 1000~3000lm | ||||
Chihiros wrgb2 | |||||
ルーメン | 2300~4500lm |
グロッソスティグマが上に伸びてしまう理由
グロッソスティグマは有茎植物です。ですので、光が乏しいと必然的に上へ上へと伸びて行ってしまうのです。
スリム水槽だったとしてもLEDは2機あった方が確実に綺麗に育つでしょう。ただ明るいだけでも育ちが良くないので、色温度も気にして照明器具を選ぶ必要があります。
グロッソスティグマにCO2添加は必須
グロッソスティグマを綺麗に育てるにはCO2(二酸化炭素)の添加は必須です。CO2を添加しないと成長速度が遅く、スポット状の苔などが付着して結果的に枯らしてしまったり、黄色くなってしまうといった成長障害が発生します。
また、横に這うように成長しないといったことも起きえます。育てる際は必ずCO2添加を行いましょう。
グロッソスティグマのトリミングについて
トリミングといえば、伸びた葉先を切って整えるイメージが強いですが、グロッソスティグマはそれだけでは絨毯になりません。グロッソスティグマは放っておいても横に広がって行きますが、真上からランナー(根や茎のこと)を裁断することで、広がる速度を促進させることができます。
グロッソスティグマの絨毯になった後はこんもりしてしまった場所を積極的にトリミングを行い下草に光が当たるようにしましょう。場合によっては一度引き抜いて植え直すことも必要になってきます。
グロッソスティグマが育たない・枯れる・白化の原因
窒素不足が原因の可能性
グロッソスティグマが白化していく原因の一つは窒素不足が考えられます。グロッソスティグマは低床草なため、土壌に窒素が足りなくなるというのは起きやすいです。
「カミハタOKOSHI」といった窒素を含んだ固形肥料をソイルに埋め込んであげることで調子を改善することが狙えます。(イニシャルスティックには窒素は微量しか含まれていません。)
白化してしまった古葉は元の姿に戻らない場合が多いので、トリミングして除去してしまうのが一番です。
CO2過多による軟弱化
CO2過多になっていると葉が細くなっていき、間伸びした姿や色が抜けているような状態になってしまいます。CO2添加量についてもドロップチェッカーなどを使って添加量を見る必要があります。夜間のエアーレーションをしてCO2濃度をリセットを図るといった工夫も取り入れると良いでしょう。
グロッソスティグマを使った水槽レイアウト
グロッソスティグマの葉が大きく、しっかり育ったレイアウト。光量はLEDライトを二つ設置しており、3800lm以上になる。後景草と植栽配置がずれているため、グロッソスティグマにしっかり光が当たるようになっている。
60cm水槽のスペック | |
水槽スペック | ADA(60サイズ) |
ソイルなど砂底 | アクアソイルーアマゾニア Ver.2 |
フィルター | エーハイム クラシック2213 |
照明器具 | アクロ トライアングルグロウ600 コトブキ フラットLED 600 |
光量 | 4,130lm以上 |
点灯時間 | 9時間 |
CO2 | あり(1〜1.5滴/1秒) |
換水頻度 | 1週/1回50% |
60cm水槽のスペック | |
水槽スペック | エーハイムグラス水槽EJ-60 60cm×30cm×36cm |
ソイルなど砂底 | プラチナソイル 田砂 |
フィルター | エーハイム クラシック2213 |
照明器具 | Chihiros RGB A PLUS |
光量 | 2400lm以上 |
点灯時間 | 8時間 |
CO2 | あり(3滴/1秒) |
換水頻度 | 2週/1回50% |
45cm水槽のスペック | |
水槽スペック | 45cm水槽(45×26×30) |
照明器具 | Chihiros LED WRGB2 45 |
光量 | 3,600lm |
点灯時間 | 8時間 |
CO2 | 1秒2滴 8時間 |
換水頻度 | 立ち上げ1か月は週に1回〜2回 水質が安定してきたら1週に1回 水量1/2〜1/3を排水 |
グロッソスティグマの価格
ネットの価格は1500円以上(送料込)
ネットショップでは送料込みでも1500円以上とかなり高いです。アクアショップに行けば750円~1000円ほどで十分な量が購入できるので、ネットで買うのはおすすめしません。また、水上葉なら60cm水槽でも余らせるほどの量が300円程度で買うことができます。
フリマアプリ価格は400円程度(送料込み)
メルカリなどのフリマアプリでは400円程度で水槽に敷き詰められる量を購入できます。ただし、出回っているものは水上葉や種の場合が多いです。こちらは、導入の際に枯らしてしまったり、ミスト式で立ち上げなければならないなど課題があります。
また、水中葉でもリセット後のものを売っているケースが多く、スネール混入やコケ類の侵入の可能性があるため、あまりおすすめとは言えません。
培養カップがオススメ
アクアショップで主に売られている培養カップが一番おすすめ。人気商品ともあって安いところでは680円から購入することも可能。在庫も多くあり、近隣店舗全てに置いていないケースは稀と言えるほどです。
1カップの量がとても多く、60cm水槽でもレイアウトによっては余らせるほどです。間違っても2カップ買わないように気をつけましょう。
グロッソスティグマの育て方まとめ
育てるポイントまとめ
- 高い光量
- CO2添加
- 正しいトリミング
- 適度な水換え
- 追肥
グロッソスティグマの厳守したいことは上記の5つ。シンプルなようで割と難しいと感じる人も多いかもしれません。特に適度な水換えと追肥は重要要素で、水質が安定しないとグロッソスティグマにコケが生えたり葉に穴があいたりします。また、土壌の肥料が足りないと葉が黄色くなったり葉が小さくなったりしてしまいます。
グロッソを敷き詰めたレイアウトはやはり貫禄がありますし、雰囲気もニューラージパールグラスやウォーターローンとは大きく異なります。シックな水槽を作りたい人はぜひ挑戦してみてください。
グロッソスティグマ以外の前景草との比較
グロッソスティグマ 育成難易度 |
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おすすめの前景草一覧 | ||
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ニューラージパールグラス | ||
育成難度 | ||
小さな丸い葉が特徴的な代表的な下草。初心者でも育てやすく、水草の絨毯を作りたい人は手堅く育てられるのでおすすめ。しだれ状態にできるなどレイアウト幅が広い。 | ||
キューバパールグラス | ||
育成難度 | ||
ニューラージパールグラスに酷似しているが、キューバの方がとても小さい。絨毯化するときめ細かい葉が魅力的に見える。成長速度は遅め。 | ||
ウォーターローン | ||
育成難度 | ||
根元が一切見ないほどに敷き詰まって成長する水草。成長速度が非常に早く水草絨毯を簡単に作ることができる。まれに水草絨毯が丸ごと剥がれてしまうこともあるので注意。 | ||
コブラグラス | ||
育成難度 | ||
葉先にかけて多少の丸みのある水草。濃い緑と幅のある葉が特徴的で育った姿はかなり渋みと深みがある。成長速度が遅いため茂らすのには時間がかかる。 |
グロッソスティグマを育てる上でよくある質問
- グロッソスティグマが上に伸びる原因は?
-
ライトの光量が弱い可能性が高いです。グロッソスティグマは有茎草のため、光量が中途半端だと這うように育たず、上に伸びていってしまいます。30cm水槽は1000ルーメン程、45cm水槽は1500~2000ルーメン程、60cm水槽なら2500~3000lm程を目安に光量を確保できていると良いです。
- グロッソスティグマの枯れる・白化の原因は?
-
グロッソスティグマが白化していく原因の一つは窒素不足が考えられます。グロッソスティグマは低床草なため、土壌に窒素が足りなくなるというのは起きやすいです。また、CO2過多になっていると葉が細くなっていき、間伸びした姿や色が抜けているような状態になってしまいます。CO2添加量についてもドロップチェッカーなどを使って添加量を見る必要があります。
- グロッソスティグマはCO2なしで育つ?
-
CO2なしで育てるのは非常に厳しいです。せめてコストをかけずにできる発酵式や炭酸水を使ったCO2添加法を行って育てましょう。CO2なしの場合、成長よりも先にスポット状の苔が付着して景観が悪くなるなどの弊害が起きやすいです。