ネオン病の原因や治療方法と効果のある薬【症状を写真と動画で紹介】
ネオン病の初期症状は胴体や尾筒(ヒレの付け根)の部分が白くなります。全体に的に色が薄くなるよりも部分的に不自然に白くなってしまう所を目撃して発覚するケースが多いです。
ネオン病は早期発見と治療によって治る場合があります。しかし、放っておくと呼吸が荒くなったり、泳げなくなって高確率で絶命してしまいます。
ネオン病の原因はカラムナリス菌が原因というのが有力であるため、エルバージュエースを使用した治療が最も有力です。この記事ではネオン病の症状の様子や治療方法、ネオン病にならないための予防策について解説しています。
ネオン病とは
ネオン病は、ネオンテトラとカージナルテトラといったカラシン科によくみられる病気です。しかし、カラシン科の魚だけでなく、コリドラスといった他の熱帯魚も発症することで知られています。
原因菌は尾ぐされ病と同じカラムナリス菌が原因というのが有力説です。筋肉組織に繁殖するため、身体は白くあせたり、真っ白になったりします。
発見時にすぐに治療をしないと完治が難しい病気で、感染力が強いため、群れの中で放っておくと水槽内の魚が全滅することも珍しくありません。
早期発見で治療すれば治せる可能性がある
ネオンテトラやカージナルテトラといった体色のはっきりした魚が白くなっている場合はネオン病を疑うべきです。
色は変色しているけど元気に泳いでるから様子見するか、という状態の時こそ、塩浴や薬浴をおこなって早期治療すべきです。
早期治療は体力のあるうちに薬浴をして病気を治すことが求められます。早期治療にはエルバージュエースを使用しますが、エルバージュエースは薬効が強い魚病役の代表格なので健康な魚とは隔離した上で使用しましょう。
呼吸が荒いと治せない確率が上がる
ネオン病が進行すると、病魚の呼吸が荒くなり、口をパクパクさせるようになります。この状態になると、隔離して治療したとしても回復が非常に難しく、数日で死んでしまう確率上がります。
ネオン病の症状
ネオン病の症状は初期症状と末期症状で異なりますが、病気の進行速度は早いので気づいたら末期症状になっているということも珍しくありません。
おかしいな、ネオン病の症状に似ていると思ったら隔離して治療をスタートすべきです。
ネオン病の初期症状
ネオン病の初期症状としては、体の一部が白くなったり薄くなることが挙げられます。
また、群れから離れて泳ぐようになることも初期症状の一つです。これは魚が自分で意図的に距離をとっているのではなく、他の個体の動きについていけなくなるためです。
体の一部が白くなったり薄くなる
ネオンテトラなどの観賞魚がネオン病になると、体の一部が白っぽく変色します。胴体部分や尾筒(尾鰭と胴体の付け根)が白くなったり、モヤがかかったように見えます。おかしいな?と思った時は治療に移るべきです。
群れから離れて泳ぐようになる
ネオン病に感染した個体は他の個体から離れていきます。これは自分で意図的に距離をとっているのではなく、他の個体についていけなくなるためです。
小さい水槽では散らばって泳いでいることが多いため、判断がしづらいですが、水槽の底に止まってあまり動かなかったり、水草に1匹だけ隠れているという時は注意が必要です。
餌やりをしても出てこない、食べる頻度が減っているようだったら治療を開始することを検討すべきです。
ネオン病の末期症状
ネオン病が進行すると、魚の呼吸が荒くなり、口をパクパクさせるようになります。また、泳ぐことができず水流に流されるようになります。
呼吸が荒く口をパクパクさせる
ネオン病が進行すると、魚の呼吸が荒くなり、口をパクパクさせるようになります。この状態になると、治療が難しくなり、治せない確率が上がります。
泳ぐことができず水流に流される
ネオン病が進行して弱っていくと病魚は泳ぐことができなくなり、水流に流されるようになります。この状態になると、魚の生存率はほぼゼロに近いと思った方が良いです。
この時点で薬浴をしても快方に向かうことはほぼなく、エルバージュエースの薬効に耐えられず、数時間で死んでしまうということもあります。
エルバージュエースを規定値よりも3分の1に薄めた薬浴で奇跡の回復を狙うか、そのまま見守るかは飼育者の判断になります。
ネオン病の治療方法
隔離水槽を用意して病魚を移す
ネオン病にかかった個体を見つけたら、他の魚に感染する前にすぐに隔離すべきです。隔離水槽にはエアレーション、ファンやヒーター、隠れ家を用意します。これらの道具は、魚がストレスを感じずに過ごせる環境を作るために必要です。
魚病薬を使用する場合はフィルターは不要です。
エルバージュエースを使用する
ネオン病の治療には、魚病薬のエルバージュエースが有効です。この薬は、カラムナリス菌の進行を止めるため最適です。
グリーンFゴールド顆粒や観パラDが推奨されることがありますが、これらの薬はエロモナス菌に有効であって、カラムナリス菌へはあまり期待ができません。
ネオン病の進行は早いので、効果の期待できない薬浴を重ねるよりも確実にカラムナリス菌にアプローチできる確率が高いエルバージュエースを使用した方が無難と言えます。
エルバージュエースの薬浴期間
薬効 | 3日〜5日 |
---|
エルバージュエースはニフルスチレン酸ナトリウムを配合した薬で、エロモナス症(穴あき病、ポップアイ、松かさ病(立鱗病)、赤斑病)やカラムナリス菌が原因で起きる尾ぐされ病や口ぐされ病、エラ病に効果があります。
エルバージュエースを探す | |||
---|---|---|---|
Yahooショッピングで探す | Amazonで探す | 楽天で探す |
エルバージュエースの使い方
エルバージュエースは5gの粉末で小分けされており、1袋で500L分になります。
小さい水槽ではそのまま使用することができないため、薬についてくる0.5gスプーンを使って500mlか2Lペットボトルで原液を作ります。原液を作ったあとに1Lあたり8ml(500mlペットボトルで作ったとき)を添加します。
水槽に添加する希釈量早見表 | |||
---|---|---|---|
500mlペットで作った希釈水 | 2Lペットで作った希釈水 | ||
1L | 8ml | 1L | 約33ml |
2L | 16ml | 2L | 約66ml |
3L | 25ml | 3L | 約100ml |
4L | 33ml | 4L | 約132ml |
5L | 42ml | 5L | 約165ml |
10L | 83ml | 10L | 約330ml |
20L | 166ml | 20L | 約660ml |
30L | 250ml | 30L | 約990ml |
40L | 333ml | 40L | 約1,320ml |
50L | 416ml | 50L | 約1,650ml |
60L | 500ml | 60L | 約2,000ml |
それぞれ添加量が違うので注意!詳しくはエルバージュエースの使い方を読もう
飼育水槽の環境も改善する
ネオン病の治療だけでなく、飼育水槽の環境改善も重要です。ネオン病になった魚を隔離しただけでは根本的な改善にならないため、水質環境を良い状態にしないと新たな病魚を生む可能性があります。
水質の状態を良好にする
水質を良好にするために水換えは非常に重要です。今の環境で水換えによって水質が改善しないのなら水槽のサイズをアップしたり、飼育数を減らす(水槽を増やす)必要があります。
低床のゴミをできるだけ取り除く
水槽の底に溜まったゴミは、水質を悪化させ、病気を発症させる原因となります。現状の水質が悪い原因がゴミの滞留によるものなら古い低床を合わせて取り除くなど対処が必要です。
ネオン病の予防方法
ネオン病の予防は、飼育する熱帯魚の好む水質環境の維持が大切です。熱帯魚がブリード個体(生まれて育つまで国内の個体)であったとしても性質はほとんど変わらないので、PHや水温、硬度は意識した方が良いです。
水質を弱酸性に安定させる
ネオン病にかかりやすいネオンテトラやカージナルテトラといったカラシンの多くは弱酸性の水質を好みます。弱酸性と言ってもPH5.0前後を好む種もいれば、PH6.0〜7.0の間を好む種もいます。
飼育する魚の特性をチェックして水質の調整をしましょう。日本の水道水は弱酸性の地域もありますが、多くはPH7.5を超える中世〜弱アルカリ性です。
水槽の中にソイルや流木を入れることで弱酸性に傾けることもできるので、飼育環境の整備や水換え時にPHマイナスを使用するといった工夫をすることでネオン病の予防が期待できます。
原因菌の発生予防ではなく、生体をいかに元気でいさせるかの視点での予防だね
水温を25度前後に安定させる
ネオン病の原因として有力なカラムナリス菌は15度以上で発生し、20度以上の高水温を好んで生存します。水温28度以上になると活発化し増えやすくなるため、病状が悪化したり生体が病気を発症しやすくなる恐れがあります。
白点病は高水温にすることで病気の進行を遅らせたり、快方へはこぶことができますが、ネオン病(カラムナリス菌)においては逆効果です。
水温は熱帯魚の過ごしやすい25度前後をキープすることが予防にもつながります。
水草も高水温になると調子を崩すケースがあるので、25度前後は魚にとっても水草にとっても好条件と思って良いよ。
水槽内の飼育数を見直す
水槽内の飼育数が多すぎると、魚同士のストレスや水質の悪化を引き起こし、ネオン病の発症をうながす可能性があります。適切な飼育数を守ることで、魚の健康を維持し、ネオン病の発症を防ぐことができます。
餌やりの頻度や量を見直す
適切な餌の量を与えることも、ネオン病の予防に重要です。
餌の量が多すぎると、水質が悪化し、ネオン病を引き起こす原因になります。また、餌の量が少なすぎると、魚の免疫力が下がり、病気にかかりやすくなります。
1日1回5分で食べ切れる量を与えるといったルーティンを作り、守ることで魚の健康を維持し、ネオン病の発症を防ぐことが狙えます。
ネオン病によくある質問
- ネオン病の治療は水温を上げるべきですか?
-
ネオン病の疑いがあるときは水温を上げてはいけません。ネオン病の原因として有力なカラムナリス菌は15度以上で発生し、20度以上の高水温を好んで生存します。水温28度以上になると活発化し増えやすくなるため、病状が悪化したり生体が病気を発症しやすくなる恐れがあります。
- ネオン病の治療に効く薬はなんですか?
-
ネオン病の治療には、魚病薬のエルバージュエースが有効です。この薬は、カラムナリス菌の進行を止めるため最適です。グリーンFゴールド顆粒や観パラDが推奨されることがありますが、これらの薬はエロモナス菌に有効であって、カラムナリス菌へはあまり期待ができません。
- ネオン病はネオンテトラ以外も発症しますか?
-
ネオン病はカラムナリス菌が魚の筋肉組織に入り込んで発症することが有力説です。したがって、ネオンテトラ以外にもコリドラスやラスボラなども発症する可能性があります。実際にコリドラスが発症していることも報告されています。